岸田陣営「キッシー、早く手をあげろと言ってようやく今日…」

 自民党総裁選に出馬する官房長官の菅義偉、政調会長の岸田文雄、元幹事長の石破茂の3氏は7日も支持の呼びかけを続けたが、台風10号に関連する災害対応にあたる必要もあり、動きは比較的静かだった。嵐が過ぎ去る8日、いよいよ告示を迎える。(田中一世)

 ■谷垣G幹部がトップ 午後1時、岸田選対発足

 午前1時、東京・永田町。岸田陣営は国会内の大会議室で選挙対策本部の発足式を開いた。7派中5派が菅支援に回る情勢下、出席者の多くは岸田派(宏池会)の議員や秘書らが占めたが、陣営トップの選対本部長として登壇したのは谷垣グループ(有隣会)代表世話人の元五輪相、遠藤利明だった。

 「いつもみんなで『キッシー、いつ手をあげるんだ。早く手をあげろ』と言って、ようやく今日…」

 遠藤は、2年前の総裁選で出馬に踏み切れなかった友人を愛称で呼び、今回の決断を喜んだ。本部長就任にあたり、政界に隠然たる影響力を持つ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗(元首相)に相談した。森には「友達が大変なときは手伝うもんだ」と背中を押されたという。

 ただ、岸田は台風対応などを優先して欠席した。本人不在のためか、あるいは雌雄がほぼ決したためか、告示前日の割には会場を覆う熱気は感じられなかった。

 ■厳しさ「わかってやっている」 昼に石破氏

 石破は午前中から国会内にある自民党議員の事務所を回った。石破派の幹部は2年前の平成30年総裁選で獲得した国会議員票(73票)を上回るのは「厳しい」との見方を示した。

 石破は昼の選対会議出席後、厳しい情勢を記者団に指摘されると語気を強めた。「それはわかった上でやっているんだから」。

 ■告示後も「公務優先」 午後4時過ぎ菅氏会見

 大本命の菅は台風10号対応のためテレビ番組出演をキャンセルして職務を粛々とこなした。ただ、この合間の午後1時、東京都庁を訪れ、自民党都議団にあいさつする日程は予定通りこなした。

 菅は都議と同じ地方議員(横浜市議)出身。「地方議員として地元をはいつくばってきた。初心を忘れないで頑張ります」と意気込みを語り、都議団から「勝つぞコール」が起こった。

 午後4時21分。「災害対応をはじめ必要な公務は引き続いて行っていく。公務を優先して対応していきたい」。定例の記者会見に臨んだ菅は一転、告示前日とは思わせない、いつもの淡泊な表情に戻っていた。

 首相の安倍晋三(自民党総裁)は午前10時過ぎから30分間、前副総裁の高村正彦と官邸で会い、平成24年12月に発足した第2次政権以降の思い出話に花を咲かせた。異例の長期政権を継ぐ者が決まるまで、残り1週間に迫る。(敬称略)

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