長州正論懇話会 河野克俊氏講演詳報「国家の基本である国防は正面から議論を」

 山口県下関市の市生涯学習プラザで4日に開かれた長州「正論」懇話会の第32回講演会で、前統合幕僚長の河野克俊氏は、憲法改正について「現在の9条は欺瞞(ぎまん)だ。国家の基本である国防について、正面から議論すべきだ」と訴えた。講演の主な内容は次の通り。

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 海上幕僚長、統合幕僚長としてトータルで6年以上お仕えした安倍晋三首相の辞任表明には、驚き、ショックを受けた。

 安倍首相には防衛省の制服組トップとして、基本的に週1回、さまざまな報告をしていた。制服組が官邸に足を踏み入れられない時期がずっと続き、自衛隊に何の関心もない首相も多くいらっしゃった。しかし、安倍首相は自衛隊の動きを頭に入れた上で、さまざまな判断をされた。真のシビリアンコントロールを確立された初めての首相だ。

 安倍政権の功績は、平成27年の安全保障関連法の成立だ。日米同盟の深化という観点からは、限定的な集団的自衛権の行使が可能になったことと、自衛隊が平時から米国の艦艇や航空機を守る態勢が整ったという2つのポイントがある。

 いずれも、独立国として当たり前といえば当たり前の話だが、かつてはできなかった。それを、まともな国にしていただいたのが安倍政権だった。これも「戦後レジーム」撤廃の1つだろう。

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 中国の海洋進出が止まらない。ポルトガルやスペイン、イギリスなどの例を見れば、経済発展とともに、シーレーン防護や海洋権益の確保などを目的とした海洋進出は歴史的な事実だ。中国の進出も、その流れの中にある。

 特に、(南西諸島~台湾~フィリピンを結ぶ)第一列島線の内側は、誰からも干渉されない聖域にするつもりだ。そこで障害になっているのが、香港、台湾、尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。まずは、香港を強権的なやり方で抑えた。次は台湾、尖閣だ。一連の圧力は連動している。

 尖閣周辺には中国海警局の武装公船などが侵入を繰り返している。施政権は中国にあると既成事実を作ることに専念している。このまま、「遺憾だ」とばっかり言っていてはいけない。

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