首相、「和解」による日米関係強化 戦後の克服に注力

【検証92カ月】

 安倍晋三首相にとって歴史認識問題は、中国や韓国との間のみに存在する課題ではなかった。米国とも先の大戦に起因する「わだかまり」が長らく存在し、連携の深化を制約している-。首相はそれを払拭する「和解」を果たし、周辺国との間の「戦後の克服」に力を入れた。

 その取り組みが大きな進展を見たのは、戦後70年に当たる平成27(2015)年だった。首相は4月、米ワシントンに赴き、日本の首相として初めて米連邦議会上下両院合同会議での演説に臨んだ。ワシントンの第二次大戦メモリアル(記念碑)を訪れた際に、亡くなった兵士の命を表す4千個超の壁面の星を前にしたエピソードを紹介し、こう語った。

 「私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って黙祷(もくとう)をささげた」

 出席議員らが立ち上がって称賛するスタンディングオベーションは14回に上り、ロイター通信は「かつての敵であった日米が最も緊密な同盟国になった象徴的瞬間だ」と評した。

 同年8月14日には戦後70年の首相談話を発表し「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と未来志向を打ち出した。

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