茂木氏、覇権主義の中国にらみ奔走 東南アジアや英国など7カ国訪問

 茂木敏充外相は25日、メコン3カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー)などの訪問を終え、チャーター機で羽田空港に帰国した。茂木氏は今月だけで7カ国を訪問。東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国をにらみ、全ての訪問国と航行の自由や法の支配の重要性を確認した。日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」への支持を広げることで、軍事力を背景とする覇権主義を封じたい考えだ。

 「南シナ海問題で各国とじっくり議論することができた。自由で開かれたインド太平洋の実現についても各国の理解を得られた」

 茂木氏は24日、滞在先のミャンマーでアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と会談後、オンラインでの記者会見でこう強調した。名指しこそ避けたが、中国による海洋進出を牽制したものだ。

 南シナ海問題では、当事国である東南アジア諸国連合(ASEAN)の支持が鍵となる。とりわけ、茂木氏が訪問したメコン3カ国は中国との経済的関係が深い。新型コロナウイルスの感染拡大後、初の外国要人として各国に乗り込むことで、日本の存在を強く印象付ける狙いがあった。

 茂木氏は新型コロナの影響で止まっていた外国訪問を今月から再開した。英国を皮切りに、シンガポールとマレーシア、メコン3カ国とパプアニューギニアの7カ国を足早に訪れた。

 英国では日英の新たな貿易協定の協議に加え、防衛分野での連携強化も打ち出した。英国は香港情勢や経済安全保障の分野で中国との対立を深める。日本と同じ海洋国家だけに、東シナ海や南シナ海問題でも認識を共有する。対中政策の観点からも日英は互いに不可欠の存在となりつつある。

 シンガポールとマレーシアもASEANで重要な地位を占める。茂木氏はメコン3カ国も含め各国との人的往来の早期再開を表明。新型コロナや経済分野の協力も打ち出し、中国との間にくさびを打った。

 日豪間のシーレーン(海上交通路)に位置するパプアニューギニアも中国との関係が強い。中国は南太平洋でも影響拡大を狙っており、茂木氏とマラペ首相が海洋秩序の重要性を確認する共同文書に署名した意義は大きい。(石鍋圭)

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