日本政府は静観 GSOMIA破棄通告期限

 日本政府は、韓国との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄通告期限である24日を「ボールは韓国側にある」(外務省関係者)と静観する構えだ。北朝鮮の弾道ミサイル技術が高度化し、脅威が高まる中、日米韓3カ国による情報分析の重要性は増している。米国もGSOMIA継続を強く望む中、韓国が破棄のカードを切ることはできないとの見方が強い。

 河野太郎防衛相は8月7日の記者会見で「日米韓が連携して東アジアの平和と安定にあたることが重要」と強調。その上で「GSOMIAが重要だというのは日米韓の“防衛関係者の共通の理解”だと思っている」と述べた。

 実際、防衛当局間では認識が共有されている。発射から着弾までの一分一秒を争う初動段階では、日韓が情報交換して対応することは原則的になく、それぞれがレーダーなどで追尾する。だが、事後分析では互いの情報が有益だからだ。

 日米韓の情報交換を円滑にするGSOMIAが破棄されれば、米国が日韓間の情報交換を仲介する形になり、手間がかかる。

 何より、GSOMIAは北朝鮮の脅威に3カ国が共に対峙(たいじ)する信頼関係の象徴でもある。昨年、韓国が破棄を回避した背景にも、関係が崩れる事態を危惧した米側からの強い圧力があったとされる。

 ただ、決定権は反日政策をとる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を中心とする大統領府が主導権を握る。今もGSOMIAを「いつでも終了できる」と、協定上のルールにはない独自の主張をしている。とはいえ、米国の強い圧力もある中、破棄のカードは切れないとの見方が強い。外務省関係者も「韓国側が通告期限に合わせて何かしてくる予兆は感じていない」と話した。

(田中一世、石鍋圭)

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