日米同盟強化も拉致、北方領土は成果見えず 首相連続在職1位

 再登板した首相の外交は、民主党政権が毀損(きそん)した米国との関係の再構築から始まった。民主党政権は沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先について、日米で合意した名護市辺野古ではなく「最低でも県外」を打ち出した。結局は断念し、残ったのは日米間の信頼の崩壊だった。

 首相は再登板直後の記者会見で「日米同盟の絆の強化が日本の外交・安全保障立て直しの第一歩だ」と強調。具体策にも着手した。集団的自衛権行使の憲法解釈を変更して容認し、平成27年に制定した米艦防護などを実現する安全保障関連法はその象徴といえる。

 首脳外交も積極的に展開した。「真珠湾攻撃」から75年を迎えた平成28年12月、米ハワイ・真珠湾を当時のオバマ米大統領と訪れた。同年5月のオバマ氏による現職米大統領として初の被爆地・広島訪問に続き、日米の和解を印象付けた。

 現在の日米関係はかつてなく緊密だといわれる。首相は28年11月、大統領就任前のトランプ氏のニューヨークにある自宅を訪ね、外国首脳として初めて会談。就任後もゴルフなどを通じて心をつかみ、「世界の指導者でトランプ氏と最も個人的な関係を築いている」(ボルトン前米大統領補佐官)と評されるほど信頼関係を深めたことも大きい。

 首相は北朝鮮による日本人拉致事件の解決に向け、トランプ氏に協力を要請。トランプ氏は金正恩朝鮮労働党委員長との2度の会談で拉致問題を提起した。もっとも、金氏との直接対話は実現せず、拉致問題の解決も見通せていない。

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