石破茂氏 最大の懸念は「外交軽視」 回りくどい話しぶり…鳩山由紀夫元首相と同じ轍?

ポスト安倍の条件

 報道機関の世論調査で、自民党の石破茂元幹事長は「ポスト安倍」として支持が高い。与党支持率が低調なら、田中角栄元首相の後を三木武夫元首相が継いだ「椎名裁定」の再現もあり得る。

 ところが、自民党の支持率は高く、安倍晋三首相への批判はモリカケ問題とか、新型コロナウイルス対策での漠然とした不満だけである。党内野党に徹し、選挙のときですら味方を背後から攻撃し続けた石破氏が後継者では、与党支持層の大半は行き場がなくなってしまい、理不尽だ。

 最大の懸念は、石破氏の「外交軽視」である。

 石破氏は国際経験が乏しく、もっと自ら外遊して海外の要人と会ったり、彼らが集まるスイスのダボス会議などに出かけて、英語でスピーチなどをすべきである。

 回りくどい話しぶりも良くない。ドナルド・トランプ米大統領には、韓国の文在寅(ムン・ジェンイ)大統領と同じように嫌われ、日本の国益を守れないだろう。

 最近の月刊「正論」(9月号)のインタビューで、「(米国を取るか、中国を取るか)単純な二者択一」は許されないとか、米軍普天間飛行場の移設問題で「他の解(代替案)を見つける努力をすべき」と発言していたが、民主党の鳩山由紀夫元首相と同じ轍を踏みかねない。

 中国の民主化を厳しく主張しつつ、習近平国家主席の「国賓」招請に賛成というなど、多分に「口だけ番長」チックだし、誤ったメッセージを避ける慎重さに欠ける。

 地方振興が看板だが、個別の地域が隙間狙いで田舎らしさを生かせば成功するという「里山資本主義」では、いくつかの成功例はつくれても地方衰退という流れの挽回にならない。だらからこそ、地方創生相として期待に応えられなかった。

 師である竹下登元首相を代表とする地方政治家的な発想では、その場しのぎのカンフル剤にしかならない。地方での選挙応援に熱心だから、票集めに協力する人は多いが、彼らに聞いても評価が高いわけでない。また、杉村太蔵元衆院議員からマクロ経済政策についての知識不足を批判されて話題になった。

 憲法第9条については、現行憲法の解釈でも改正問題でも、安倍首相よりタカ派的といえる。自民党幹事長時代、集団的自衛権を容認した場合の自衛隊の活動範囲について、「地球の裏側でも排除はしない」という考えを披露した。現実性に欠ける一方、野党や自称リベラル系マスコミは「反安倍」というので現時点では利用しているが、首相になったら容赦するはずがない。(評論家・八幡和郎)

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