首相、核禁止条約「わが国と考え方異なる」 共通の基盤形成へ努力表明

 安倍晋三首相は9日、長崎市で行われた記者会見で、核兵器の保有や使用を全面禁止する核兵器禁止条約について「わが国と考え方、アプローチを異にしている」と述べ、署名・批准に否定的な姿勢を重ねて示した。核保有国と非保有国の分断を助長し、効果的な軍備管理体制の構築に資さないとの立場だ。

 首相は「わが国は唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けた世界の取り組みを主導していく使命を有している。条約が目指すゴールは共有している」と強調した。一方で「『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器国を巻き込んで核軍縮を進めていくことが不可欠だ」とも述べ、核保有国が批准していない核兵器禁止条約の有効性に疑問を呈した。

 東アジアでは北朝鮮や中国が弾道ミサイルの開発を進め、日本にとっては差し迫った脅威となっている。また、核軍縮をめぐり米露両国の足並みがそろわず、中国を含めた軍縮の枠組みも見通せていない。こうした状況では米国の核の傘に依存せざるを得ず、日米同盟に基づく抑止力を強化することで安全保障を確保するのが政府の基本方針となっている。(市岡豊大)

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