茂木外相訪英 対中安全保障の深化に狙い 東・南シナ海情勢

 茂木敏充外相が新型コロナウイルスの感染拡大で途絶えていた外国訪問の再開第1弾の地として英国を選んだ狙いは、通商交渉に臨む以外にも、中国が進出を強める東・南シナ海情勢を念頭に、英国と安全保障面で連携を深めることにあった。

 茂木氏は5日のラーブ外相との会談で、新型コロナの影響で日程調整が進んでいなかった日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)について早期の開催を目指す考えで一致した。会談の内容に関する日本側の発表は、名指しこそしていないものの、中国を念頭に置いた議題が目立った。

 両外相はまず香港国家安全維持法(国安法)施行後の香港情勢をめぐっては重大な懸念を共有。東・南シナ海問題をめぐる日英の立場が同じであり、緊密に連携していくことでも一致した。

 さらに、法の支配などを重視する「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋安全保障や防衛装備品移転などで協力を進めることも確認。「ポスト・コロナ」の国際秩序づくりで先進7カ国(G7)が重要な役割を果たすべきだとの認識を共有した。

 8月にG7首脳会議(サミット)が米ワシントンで開かれれば、香港や東・南シナ海の情勢もテーマになるとみられる。米中対立もにらみ、G7メンバー国の日英外相がサミットを前に綿密に認識をすり合わせた意義は小さくないといえる。(原川貴郎)

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