「敵基地攻撃能力」明記せず、慎重論に配慮 ミサイル防衛で自民提言案を部会了承

 自民党は31日の国防部会と安全保障調査会の合同会議で、ミサイル防衛検討チーム(座長・小野寺五典元防衛相)がまとめた政府への提言案を了承した。専守防衛を維持した上で「相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力」の保有を検討するよう求めている。事実上の「敵基地攻撃能力」を指すが、公明党などの慎重論に配慮して名称の明記は見送った。

 また、政府が計画を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替として、常時持続的に敵ミサイルを迎撃できる方法を早急に検討し、具体案を示すよう要求した。

 自民党は過去にも抑止力強化に向けた提言を策定している。平成25年には、敵の出撃地を指す「策源地攻撃能力」、29、30両年は「敵基地反撃能力」と呼称した。今回の検討チームでは「分かりにくい」として明確な表現を求める意見も出た。

 小野寺氏は31日、記者団に「『攻撃』『反撃』『敵基地』というワードが入ると、先制攻撃という間違った印象を持たれる危険性がある。『ミサイル阻止力』と整理したほうがいいのではないか」と説明した。

 提言案は配慮が目立ち、「自衛のために必要最小限度のものに限る防衛力整備」も強調した。北朝鮮や中国のミサイル脅威が飛躍的に増大する中、過去の提言に比べトーンダウンした印象も与える。

 提言案は、国家安全保障戦略の見直しに向けた政府の検討に党の意見を反映させる目的がある。来週に小安倍晋三首相に提出する。

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