緊迫する尖閣諸島 住所地変更問題と危機感薄い本土 八重山日報・仲新城編集長に聞く

 日本固有の領土、沖縄県・尖閣諸島が危ない。中国海警局の武装公船が70日以上、周辺海域に侵入しており、日本漁船を追い回す異常事態が続発しているのだ。尖閣諸島を行政区域として管轄する同県石垣市は22日、住所地を変更する議案を毅然(きぜん)と可決した。沖縄の日刊紙「八重山日報」の仲新城誠編集長に、国境の島が直面している危機を聞いた。

 「沖縄、そして尖閣諸島は『対中国の最前線』であり、日本全体の防衛に直結する。国境の小競り合いでなく、日本の将来にかかわる大きな問題だ」

 仲新城氏は語った。

 海上保安庁によると、22日午後、尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船4隻が侵入した。今年12日目。領海外側にある接続水域への侵入は70日連続で、2012年9月の国有化以降、最長の連続日数を更新した。

 仲新城氏は「中国公船による漁船追尾も相次いでおり、領海内で安心して漁ができない異常事態が常態化している。石垣島の人々も『今後、平和な状態続くのか』という不安を持ち始めている」と語った。

 こうしたなか、石垣市議会は22日、尖閣諸島の住所地を「石垣市登野城」から「石垣市登野城尖閣」に変更する議案を可決した。

 革新系市議らの席からは「近隣諸国との関係が悪化する」「中国だけでなく台湾もカンカンだ」などと批判が噴出。保守系市議らの席からは「それでも石垣市議か」「尖閣は日本固有の領土だ」などとヤジが飛んだ。

 石垣市議会の動きに、中国外務省の趙立賢副報道局長は同日、「中国領土主権への厳重な挑発で、違法かつ無効だ」と発言。台湾外交部も「遺憾と厳正な抗議」を申し入れた。

 こうした国境の危機的現状を、中央政界もメディアも極めて鈍感だ。

 仲新城氏は「住民の大半は住所地変更に賛成だ。反対派はごく一部だと思う。尖閣諸島の危機は、地元では深刻な問題だが、本土の大手メディアでは、ほとんど報じられず、温度差を感じる。日本として国境の島をどう守るのか。国民的議論をして、安全保障を考える機運を高めてほしい」と語った。

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