拉致解決 横田滋さんの遺志継ぐ 北向けラジオ、ネットに活路

 運営する特定失踪者問題調査会に全国から1千万円超の寄付金が寄せられ、ひとまず継続のめどが立った北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」。救出運動の「象徴」だった拉致被害者家族会の初代代表、横田滋さんが87歳で死去し、新型コロナウイルスの影響で、拉致解決を後押しする集会や署名活動などにも支障が出ているが、調査会は被害者と家族の再会へ「限られた時間」を厳しく受け止め、インターネットを活用した新たな運動も展開し、活路を見いだそうと懸命だ。

 全国から寄せられた計1千万円超の支援に加え、調査会には「ラジオの存在を初めて知った。頑張ってください」などと、激励のメールも届いた。調査会の荒木和博代表は「初めてカンパしていただいた方も多かった」と反響に驚く。

 一方、滋さんの死に「救出運動にかかわる者として本当に申し訳ない。シンボルの一つを失った。最期までめぐみさんとの再会をあきらめず、その行動、決断が日本を動かし、北朝鮮の非道な実態を世界に知らしめた」と無念を語った。

 しおかぜは8日、滋さんの死を伝える緊急の追悼番組を作製し、過去に収録した滋さんのメッセージも北朝鮮に向けて放送された。

 《めぐみちゃん、お父さんです。元気にしていますか。去年はウンギョンさんにモンゴルで会いました。今年こそこちらのほうに帰ってくるきっかけができるんじゃないかと思いますので、本当に楽しみにしておいてください》

 平成27年収録のメッセージは心なしか言葉が弾む。前年の26年3月、めぐみさんが北朝鮮で産んだ孫娘、キム・ウンギョンさんと面会。喜びをあふれさせた。希望に反し問題は進展しなかったが、この後も「もうすぐ会える」と、前向きのメッセージを発し続けた。

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