IR、新型コロナで「不要不急」に 参入障壁の高さに不満も

 【経済インサイド】

 新型コロナウイルスの影響で、日本政府が訪日客増加の切り札と位置づける統合型リゾート施設(IR)の計画が立ち往生している。多くの自治体はIRを「不要不急」と位置付けて新型コロナの感染拡大防止に注力。アジアで“最後の大型案件”として積極的だった海外のIR事業者からは、日本のIRの法制度について、「参入障壁が高い」との不満が漏れ始めており、投資意欲に陰りが見える。新型コロナ収束後の計画再開を見据え、制度設計の見直しが必要となりそうだ。

 「コロナが大変でIRどころではない」。IRの制度設計に携わってきた政府幹部ですらこう語るほど、政府は新型コロナの感染拡大防止に追われている。全国の自治体でIRに最も積極的だった大阪府でも、吉村洋文知事がIR担当者をコロナ対応に振り分けるなど、IRは二の次になっている。

 政府は表向き、IRの開業に向けたスケジュールや制度を変更する考えはなさそうだ。菅義偉官房長官は5月13日の記者会見で、「IRは観光立国を目指す上で不可欠」と意欲を示した。政府は、全国で最大3カ所設置するIRの認定基準となる「基本方針」に、感染症対策を盛り込む方針を示した。自治体からIRの認可申請を受け付ける「来年1月4日から7月30日まで」というスケジュールは、IRの誘致を検討している自治体に確認した上で、変更しない方針を明言している。

 しかし、政府がいくらIRに関する方針は「不変」と主張しても、海外のIR企業はかつての熱意を失っているようだ。

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