台風19号、コロナ…2度の災厄乗り越え再開 埼玉・川の博物館

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館していた埼玉県立川の博物館(寄居町)が26日、約3カ月ぶりに営業を再開した。同博物館は昨年10月の台風19号で浸水被害を受け約1カ月休館し、スタッフ総がかりの復旧作業で再開にこぎつけた経緯がある。2度の災厄を乗り越えて迎えた再開に、関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 川の博物館は、人の暮らしと川の関わりを紹介する施設で、平成9年に開館した。敷地内には、直径24・2メートルの日本最大の木製水車や、ウオーターアスレチックを楽しむことができる「荒川わくわくランド」が併設されており、夏場を中心に親子連れでにぎわう。

 台風19号の際は荒川に近接する立地が裏目に出た。豪雨によって荒川の水位は約7メートル上昇し、駐車場や噴水施設などが浸水する被害を受けた。台風上陸から約1カ月後に再開したものの、屋外施設の一部は今も復旧していない。

 全面的な再開を果たす前に、今度は新型コロナウイルスの感染が広がり、今年2月末から再び休館が続いていた。

 今回の再開にあたっては、入館者にマスクの着用や体温検査、連絡先の記入などを求めているほか、一部の施設に定員を設けたり、スタッフが定期的に展示物を消毒したりする対策を講じている。

 再開初日の26日は親子連れを中心に約30人が足を運んだ。

 長男(2)と一緒に訪れた埼玉県熊谷市の主婦、大口早紀さん(29)は「営業している施設はまだ少ないので、再開はありがたい」。同県深谷市の主婦は「緊急事態宣言が解除されたので久々に遠出した。博物館側の感染対策が徹底しているので安心して見て回ることができた」と話した。

 「2つの危機を乗り越えてこの日を迎えることができた。これ以上何も起きないと信じたい」

 館長の平山良治さん(72)は淡々と語った。

(竹之内秀介)

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