事なかれ外交の脱却を 徴用工の展示めぐり韓国側反発

 産業遺産国民会議の加藤康子(こうこ)専務理事は産経新聞のメール取材に対し「軍艦島の歴史は島に生まれ、島に育った島民が一番知っている。70人以上に話を聞いたが、戦前も戦後もみな一緒に島の産業を支え、助け合い、仲良く暮らしていたという証言ばかりだ。いじめられたという話は聞かなかった」と説明した。

 そのうえで「それはあくまでも私の印象だ。人の捉え方は千差万別で、私が結論をいうべきではないだろう。政治やイデオロギーのフィルターなしに、彼らの声に耳をすまし、訪れる人が自分の心で判断することが大切だ」と強調した。

 世界遺産登録をめぐり、韓国では軍艦島を「地獄島」に位置づけた映画が公開され、朝鮮人の少年がおりに閉じ込められた描写を盛り込んだ絵本も出版された。軍艦島は戦時中の朝鮮半島出身者への“虐待”の象徴の舞台として国際社会に発信され続けている。

 こうした韓国側の“プロパガンダ”を、日本の大半のメディアは黙殺している。産業遺産国民会議のメンバーは、人づてに軍艦島の元住民の証言を集め、徴用に関する日誌やメモ、手紙など1次資料を収集。これらの資料を基に韓国メディアの報道を分析し、軍艦島での朝鮮人労働者の過酷な労働の証拠として報じられる写真の大半が時期も場所も無関係であることを突き止めた。

 内閣府関係者によると、外務省や首相官邸の一部は韓国側との摩擦を恐れたのか、情報センターの展示内容に及び腰だったという。

 歴史を歪曲してはならない。

 歴史的事実を忠実に後世に残し、戦後続いた隣国の主張におもねる“事なかれ外交”を脱却する契機にせねばならない。(奥原慎平)

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