新型コロナ禍で読み解く日本・中国・米国と「世界のかたち」

 「習政権としても『できれば米国と建設的な関係をつくってゆきたい』というのが本音だと思います。でも、トランプ政権とはいつまでたってもその『柱』を見いだすことが難しい。それゆえ対米関係を『共存』ならぬ『競存』として認識するようになったのだと考えています。もっとも、たとえオバマ政権であっても気候変動や感染症対策といったテーマ以外では『競存関係』にならざるを得なくなったとは思いますが…。

 中国と米国以外の国々との関係についていえば、面白いことにいちはやく国境を閉鎖した隣国・ロシアに対する批判はほとんどみられません。日本については『これまでは援助してもらってきたが、今度は新型コロナウイルス禍が広がる日本を援助しよう』といった論調が目を引きますが、そこには今後も友好的な日中関係を推進してゆきたいという意図がうかがえます」

 --新型コロナウイルス禍が中国の内政に与える影響はいかがでしょうか。

 「やはり経済面です。中国はもともと米中貿易戦争で経済が減速していたところに今回の新型コロナウイルス禍に見舞われました。実際、中国税関総署が発表した今年1~2月の貿易統計(ドル建て)によりますと、前年同期比で輸出は17・2%減、輸入は4・0%減となっています。ただ、こうしたデータ以上に注視しなければならないのは、経済問題は中国という格差社会における低所得層の生活、また私営企業や中小企業の存続に直結するということです。その結果として民衆の不満がどこまで高まり、中国共産党はそれにどれだけ対応できるのか-。国際的な物議を醸しながらも新型コロナウイルスの封じ込めについては一定の成果を上げているようですが、内政面での正念場はこれからだと思います。

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