大津市長、いじめ対策重視見直しも 当初予算案

 大津市は14日、21日開会の市議会2月通常会議に提出する令和2年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比約3億7100万円減の約1130億9千万円。1月の市長選で初当選した佐藤健司市長の就任から間がなく、継続事業や義務的経費が中心の「骨格型予算」で、6月通常会議で提出する補正予算案に佐藤市長の政策を反映した事業を「肉付け」する。

 歳入の45・1%を占める市税がほぼ横ばいの510億270万円となる一方、国の税制改正に伴って法人市民税は25・2%減少。固定資産税は人口流入により約5億円の増収を見込む。

 市債発行額は79億2110万円で前年度から約2億840万円増え、臨時財政対策債を除く市債残高は約5・4%増の633億7326万円となる見通し。前年度は10億3900万円だった臨時財政対策債の発行を当初段階では見送り、佐藤市長の政策を反映する補正予算の財源に充てる。

 歳出では、ごみ処理施設の改築事業がピークを迎えることや、市民病院の運営費負担金を約2・4倍に増額したことに伴い、衛生費が約61億4千万円増の190億9244万円。新東部給食センターの整備が完了したことから、教育費は41億7千万円減の93億4575千万円となっている。

 民生費は待機児童ゼロに向けた民間保育施設への人件費補助などについて、佐藤市長の政策を反映させるため、当初段階で措置が見送られたことで約11億9千万円の減少となった。

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 平成23年に市立中学2年の男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺した事件を受け、大津市は越直美前市長のもと、いじめ対策に重点を置いてきたが、「脱・越市政」を鮮明にする佐藤健司市長は「特化しすぎている」として方針を見直す構えをみせている。

 市が事件後に取り組んだいじめの早期発見と深刻化防止に向けた施策は「大津モデル」と呼ばれ、先進性を高く評価されてきた。

 佐藤市長は市の教育方針を定める「市教育振興基本計画」などの策定に向けた総合教育会議で、「子供が直面している問題はいじめだけではない。特化しすぎている」と指摘。令和2年度の当初予算案でも、事件を受けて市長部局に設置された「いじめ対策推進室」の事業を市教育委員会に統合・集約するなど、関連事業の見直しに着手した。

 男子生徒の父親は「「子供の命と引き換えにしてまでやらなければいけない事業があるのか。政治的な意図で効果を検証せずに良いものまでなくしてしまうのならば、批判されるべきだ」と懸念を示す。いじめ防止対策推進法改正の議論が進まない中、「大津市の意識が低くなると、議論も後退してしまう。(事件を機に成立した)いじめ防止対策推進法や大津モデルの趣旨を正しく認識してほしい」と訴えている。

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