首相帰国、オマーンに海自派遣協力要請、シーレーン安全確保は生命線

 安倍晋三首相は15日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンの中東3カ国歴訪を終え、政府専用機で羽田空港に到着した。各国首脳らとの会談では、海上自衛隊の中東派遣に関し、護衛艦が寄港する補給拠点として考えられるオマーンやUAEから「協力」の言葉を取り付けた。石油資源輸入確保のための海上交通路(シーレーン)の安全を確保するため、今後も各国との連携を深める考えだ。

 帰国に先立ち、首相はオマーンの首都マスカットでアスアド国王代理と会談し、アスアド氏は海自の中東での活動に「協力していきたい」と述べた。

 日本は原油の9割近くを中東地域に依存しており、ペルシャ湾からホルムズ海峡、オマーン湾に至るシーレーンの安全は日本の生命線だ。米国とイランの間で軍事衝突が起きれば、シーレーンは破壊され、日本は危機に陥る。首相が中東地域の緊張緩和を働きかけたり、海自を派遣したりするのは、そうした事態を未然に防ぐ目的がある。

 特にオマーンは要衝であるホルムズ海峡を領海に持ち、海上自衛隊の活動域のオマーン湾やアラビア海に面している。昨年6月、日本などのタンカー2隻が攻撃されたのは、ホルムズ海峡に近いオマーン湾だった。

 海自の主な活動目的は情報収集だが、ホルムズ海峡では活動しない。日本政府は有益な情報収集のため、オマーンとの連携を図りたい考えだ。オマーンはイランとの関係も良好で、オマーンの港を護衛艦の補給地として活用する案もあり、オマーンの協力を得ることが重要となる。

 また、日本とUAEの両政府は、同国東部のオマーン湾岸のフジャイラ港を護衛艦の寄港先とすることで調整に入った。

 海自の中東派遣に向けて政府は歩を進めている一方で、野党は反発している。20日に召集される通常国会で与野党が激しく対立する見通しだ。

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