GSOMIA騒動は「何も譲らない」日本の“全面勝利” “事大主義”の韓国と“メンツの国”中国の「トリセツ」

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)騒動は、とりあえず日本側の全面勝利に終わった。日本の輸出規制厳格化については、話し合いをすることは了承したが、それ以上の約束はしておらず、「何も譲らなかった」と言い得るラインを維持できた。

 安倍晋三政権の、韓国に対する「徹底した強硬な対応」については、やり過ぎだという声もある。だが、今回成功したのは、韓国政府のメンツを気にすることなく、正論で堂々とたたきのめすくらいのつもりで追い込んだからだ。

 実は、韓国には、それが正しい「トリセツ(取り扱い説明書)」なのだが、これまで、日本的な優しさを発揮して「足して二で割る」からバカにされ、エスカレートしてきた。

 韓国経済は、日本から国交回復時に得た莫大(ばくだい)な資金と技術で、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる経済発展を成し遂げた。ところが、それを指摘することは、「民族の誇りである偉業への侮辱」だそうだ。それどころか、「あまり役に立たなかった」などと、感謝もしないのである。

 韓国は企業の取引でも同じで、世話になったことを、むしろ弱みを握られているような気分で受け取り、取引をすることを避けられたりすることすらある。逆に、足蹴にされると相手に一目置く。

 韓国は、中国の習近平国家主席や、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長、ドナルド・トランプ米大統領から屈辱的な扱いを受けているが、それに怒るどころか、そういう相手を尊敬し、尽くしたくなるようだ。

 戦前の朝鮮統治でも、伊藤博文・初代韓国統監は、何とか韓国から自助努力を引き出し、独立と自治を尊重しようとして、誠心誠意尽くしたが、なめられただけだった。

 先の天皇陛下(現上皇さま)も訪韓を希望されているといわれ、自ら「百済王室の血を引く」というゆかり発言などもされた。だが、韓国側は土下座して謝らせるとか、「日王(=天皇陛下への軽蔑した呼び方)は百済王室の末であることを認めた」といわれる羽目になった。

 鳩山由紀夫元首相は「土下座コメディアン」として重宝されているだけだ。韓国は、事大主義(=強い者に従うことが正しいという考え方)の国なので下手に出てはダメなのだ。

 一方、中国はメンツの国である。ただ、威張っていても受けた恩義は評価はする。逆にメンツを潰すと、経済的に損でも人民の生命を犠牲にしても対抗してくる。そのあたりは、回を改めて論じたい。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 

 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『韓国と日本がわかる最強の韓国史』(扶桑社新書)、『ありがとう、「反日国家」韓国』(ワニブックス)など多数。

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