安保議論なき国会 「桜を見る会」は最優先課題か

 「私は国語の時間には国語を、理科の時間には理科を勉強してきた。ここは国権の最高機関だ。ヤジは国会の花ならず。子供に見られて恥ずかしくない姿を良識の府を参院に求める」

 「国権の最高機関」をうたうならば、当然ながら国政の課題を議論すべきだ。衆参予算委の審議内容はどうだったか。

 首相が出席した予算委は10月10日以降、これまで衆参両院でそれぞれ3日間開かれ、審議時間は衆院で計約18時間20分、参院で計約19時間25分に上る。主なテーマは台風19号を含む災害対策や消費税率引き上げ、日米貿易協定などだった。

 立民など主要野党は当初、関西電力役員らの金品受領問題を集中的に追及した。10月下旬からは辞任した2閣僚の公職選挙法違反疑惑▽大学入学共通テストへの英語民間試験の導入見送り▽桜を見る会-と次々に矛先を変えた。

朝鮮半島情勢が緊迫する最中にも…

 一方、北朝鮮は国会召集直前の10月2日に新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を、同月31日には2発の弾道ミサイルをそれぞれ発射している。

 この段階で日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は韓国の破棄決定により失効の瀬戸際にあったが、予算委で積極的な安全保障論議が交わされた形跡はない。10月11日の衆院予算委で、国民民主党の前原誠司元外相が日本のミサイル防衛能力をただしたぐらいだ。

 中国も尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域への侵入を続けている。予算委で、日中関係を「正常な軌道に戻った」と評価する首相に野党が現状を突き付け、来春に習近平国家主席を国賓として迎える妥当性をただす場面はみられなかった。

 主要野党は「国民にもう1つの選択肢を常に用意する。緊張感のある政治を作り出す」(国民民主党の玉木雄一郎代表)と意気込むが、現実は厳しい。

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