安倍首相「妥協せず」 韓国のWTO提訴中断で動く

 日本政府が韓国側の“軟化”を察知したのは日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が失効する23日の数日前だ。日本の対韓輸出管理の厳格化をめぐり、韓国側が世界貿易機関(WTO)への提訴手続きの中断を打診してきた。

 これを受け、21日午後に今井尚哉首相補佐官、秋葉剛男外務事務次官、北村滋国家安全保障局長らが官邸入りし、安倍晋三首相と対応を協議。同日夕には国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合も開いた。

 関係者によると、首相はその場で「一切妥協しない」と明言したという。GSOMIAとは別問題として、輸出管理の厳格化を継続する方針も改めて確認された。

 一方で、韓国がWTOへの提訴手続き中断まで踏み込んだことに、政府高官は「驚いた」と打ち明ける。韓国が「日本が対話に応じる姿勢をほしがっていた」(政府関係者)事情もあり、日本側も貿易当局間の協議を始めることを了承した。

 日本政府としては、輸出管理厳格化の撤回に応じることなく、日米韓の連携という「唯一の大義名分」(首相周辺)を掲げてGSOMIA維持を韓国に促した戦略が奏功した。(小川真由美)

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