GSOMIA、23日失効不可避 防衛相会談平行線

 【バンコク=田中一世】河野太郎防衛相は17日午前(日本時間同日午後)、タイのバンコクで、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と会談した。韓国が破棄を日本に通告した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「賢明な対応を求めたい」と再考を求めたが、鄭氏は日本が対韓輸出管理を厳格化したため協定終了を決めるしかなかったと従来の立場を繰り返すにとどまり、平行線に終わった。協定失効が23日に迫る中、失効は避けられない情勢となった。

 日韓両国の防衛相の公式会談は昨年10月以来1年1カ月ぶり。両氏は北朝鮮対応をめぐる日韓、日米韓の防衛当局間の意思疎通を継続させる方針は確認した。

 会談は40分間。冒頭、鄭氏は「関係が行き詰まっていることは非常に残念だ。防衛協力の発展のためにともに努力したい」と述べた。河野氏は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射に言及し「日韓米の連携は極めて重要だ」と語った。

 その後、エスパー米国防長官を加えた日米韓3カ国の防衛相会談も1時間余り行い、河野氏は改めて「賢明な対応」を要求した。エスパー氏も「同盟国間で情報共有することが重要だ」と述べたが、鄭氏の姿勢は変わらなかった。

 3氏は会談後発表した共同声明で「情報共有、ハイレベルの政策協議、共同訓練を含む3カ国の安全保障協力を推進することにコミット(約束)した」と記したが、GSOMIAに直接的には触れなかった。

 日韓両国は平成28年11月、北朝鮮対応を強化する狙いで、軍事情報を交換する際の情報保護を取り決めるGSOMIAを締結したが、韓国政府は今年8月、破棄する方針を決めた。

 ただ、破棄は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の方針で「鄭氏に決定権はない」(米政府関係者)ため、会談が韓国政府の方針転換につながる公算は小さい。日本政府関係者は「日本が何か譲歩する余地はなく、文氏が(継続を)決断するしかないが、その様子はない。失効は避けられない」と語る。

 韓国側が破棄通告を撤回しなければGSOMIAは23日午前0時に失効する。

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