皇位継承策検討は来春以降 政府方針、非公式に意見聴取

 政府は安定的な皇位継承策の検討について、来年4月19日に秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣となられたことを内外に示す「立皇嗣の礼」以降に先送りする方針を固めた。今年5月の天皇陛下ご即位に伴う一連の儀式は大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀で大きな節目を迎えたが、儀式が全て終わる来年4月を前に皇室をめぐる議論で紛糾し、国民統合の象徴である天皇の地位に影響を及ぼしかねない事態は避けるべきだと判断した。

 現在の皇位継承者は(1)秋篠宮さま(2)悠仁さま(3)常陸宮さまの計3人で、戦後最も少ない。将来にわたって安定した形で国の根幹をなす皇室をどう維持するかは重要な課題だ。平成29年6月に成立した譲位特例法の付帯決議は、政府に対し「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」などを速やかに検討することや、「速やかな国会への報告」を求めている。

 付帯決議を受け、政府は来年の立皇嗣の礼以後、皇位継承策について検討に入る。安倍晋三首相は皇位継承策について「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」との考えを重ねて示してきた。政府による検討は、現在の皇位継承順位や男系男子による皇位継承を維持することが前提となる。

 議論のあり方については、皇室をめぐり国論が二分するのを避けるため、有識者会議は設置せず、学識経験者らに非公開で個別に意見聴取する案が有力視されている。女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家創設や、戦後に皇籍を離れた旧宮家からの男系男子の復帰など、皇位継承の具体策について論点整理を行う方向だ。

 政府はこれまでも皇位の安定継承に関する議論を重ねてきた。17年には小泉純一郎首相(当時)の下に設置された有識者会議が、女性天皇や母方だけが天皇の血を引く女系天皇を認める報告書をまとめたが、18年9月の悠仁さまご誕生もあり議論はしぼんだ。旧民主党政権下の24年10月には野田佳彦首相(同)が女性宮家の創設案を軸とする論点整理を示したが、直後の政権交代で白紙になった。

 野党は第一党の立憲民主党などが女系天皇を容認する一方、自民党は伝統的な男系男子の維持を重視する議員が多い。付帯決議では政府の報告を受けた後、「立法府の総意」の取りまとめを目指すことになっている。

 ただ、実現は困難を極めることが予想され、政府は「結論を急ぐ必要はない」(官邸筋)との立場だ。秋篠宮さまをはじめとして皇位継承者が明確におられる中で議論を進めれば、現在の皇位継承順の変更につながる可能性もある。

 政府内には「今のうちに道筋をつけないと、また女系天皇容認論が浮上しかねない」との懸念もある。令和の時代を迎え、皇室に対する国民の関心が高まる中、来春以降に政府が検討する論点整理に旧宮家復活が安定的な皇位継承の具体策の一つとして盛り込まれるかが焦点となる。

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