日韓会話にみる文大統領の「焦り」 文議長の私案は「日本の税金の目的外使用」

【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】

 「11分」というと、朝の番組では貴重です。毎朝コメンテーターの方々とニュースを解説していますが、11分あれば、大体2つの話題を、ある程度掘り下げて話すことが可能です。もちろん、これは日本語でやり取りをしているという前提がありますが。

 さて、この11分で、安倍晋三首相と、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がタイ・バンコクで会話を行ったことが先週、“大きなニュース”となっていました。読売新聞は、1面トップから大展開していましたが、たった11分のやり取りが、どうして大ニュースなのでしょうか?

 1年ぶりに直接会話といっても、通訳を介してのやり取りですから、中身は半分。正味5分足らずでは、形式的な話に終始したと思います。その割には、即位関連行事への謝意であったり、高官級協議の提案であったりと盛りだくさん。

 逆に言えば、それぞれのファクターでやり取りをする時間もなかったのではないか? 言いっ放しだったのではないかと思ってしまいます。

 また、会話は、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)の首脳会議の控室で行われました。メディアは立ち入り不可なので、ざっくばらんに首脳同士がオフレコトークをする場所です。にもかかわらず、会話の内容がいち早く報じられただけでなく、写真まで撮られていたのはどういうことか?

 各メディアが、この「韓国大統領府提供」の写真を使っていましたが、これっていわば「官製のオフレコ破り」も同然でしょう。こんな信義にもとることをするほど文大統領は焦っているのでしょうか?

 同じタイミングで、韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長が来日し、いわゆる「元徴用工」問題の解決を目指す私案を提示しました。日韓の企業と個人からの寄付を集めて、元徴用工への賠償に当てる基金設立というものです。寄付金には、文政権が7月、慰安婦問題の日韓合意を一方的に破棄して解散した「和解・癒やし財団」の残金もあてるといいます。

 わが国の税金の目的外使用であるうえ、対象が200人前後の元慰安婦と、韓国政府が認定しているだけで22万人とされる元徴用工では規模が違いすぎます。

 元慰安婦については日韓請求権協定の例外としての対処が可能でしたが、元徴用工の規模になると請求権協定が完全に形骸化します。「いつまで日本の財布を当てにするんだ?」という感情的反応もさることながら、「日本相手なら国家間の約束も反故(ほご)にしてもいい」と国会議長までが考えていることに、暗澹(あんたん)たる気持ちになります。

 毅然(きぜん)と言い返すことを怠ってきたツケが回ってきていると自覚し、声を上げなければいけません。

 ■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6-8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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