文大統領すり寄りは米国への“ポーズ” 11分の日韓首脳対話、安倍首相は「約束守れ」厳命

 安倍晋三首相は4日、訪問先のタイの首都バンコクで、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と接触し、11分間、言葉を交わした。ドナルド・トランプ政権は、文政権が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことに激怒し、外交・軍事的圧力をかけている。文氏としては、協定の失効期限(23日午前0時)が迫るなか、安倍首相にすり寄ったようだ。

 「ちょっと、座って話をしましょう」

 4日午前、文氏の突然の呼びかけで、両首脳はその場にあったソファに腰をかけた。日中韓3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議の前に、英語の通訳だけを交えて1対1でやり取りした。

 韓国大統領府(青瓦台)は、その内容を「非常に友好的で真摯(しんし)な雰囲気だった。韓日関係の重要性も共有できた」と評価した。

 文氏は、天皇陛下のご即位への祝意と、「即位礼正殿の儀」に李洛淵(イ・ナギョン)首相が参列した際のもてなしへの謝意を表明した。そのうえで、いわゆる「元徴用工」の異常判決などの、日韓間の懸案をめぐって、「高官級協議」を提案したという。

 一方、安倍首相は、文氏の母親が最近、亡くなったことへの弔意と、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に李首相が参列したことへの謝意を伝えた。そして、日韓の請求権問題は、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」しているという日本の原則的立場を説明した。つまり、「国家間の約束を守るように」と厳命したわけだ。

 文政権は内憂外患にある。

 大統領支持率は40%を切った。トランプ政権は、日米韓の安全保障協力体制を揺るがす文政権に激怒している。文氏としては、安倍首相に接触する「抱きつき戦術」で、日韓首脳間の「対話」を演出したようだ。

 だが、トランプ政権の圧力は続く。GSOMIA失効前に、デイビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が5日から、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が今月中旬から相次いで訪韓し、協定破棄の撤回を促す。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「文氏は『米国がうるさい』から、ポーズで安倍首相と会ったのではないか。2人の面談は中身もなく、意味がなかった。ここでGSOMIA破棄を撤回すれば、『反日・反米』の文政権の根幹にも関わる。文政権は『日本は誠意ある対応を見せなかった』と言い、最後は協定破棄に突っ走ると思う」と語っている。

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