所信表明にうかがえる韓国への冷めた視線

 安倍晋三首相は4日の所信表明演説で、外交関係が悪化する韓国について「国際法に基づき、国と国との約束を順守することを求めたい」と言及した。いわゆる徴用工問題をめぐり、1965(昭和40)年の日韓請求権協定を守るよう求めたもので、1月の施政方針演説にはなかったくだりだ。

 冷めた視線は北朝鮮情勢をめぐる表現にもみられた。首相は「米国と緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期す」と語り、昨年10月の所信表明演説で「日米韓の結束」と訴えたような表現を変えた。韓国政府による日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定を踏まえたものだ。

 ただ、首相は「韓国は、重要な隣国だ」とも指摘した。メッセージは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対日政策に批判的な、韓国内の良識派に向けたものとみられる。

 首相は、日中関係について「来年の桜の咲く頃に、習近平国家主席を国賓としてお迎えし、日中関係を新たな段階へ押し上げていく」と述べた。しかし、デモ隊と当局との衝突で緊迫する香港情勢への言及は控え、良好な日中関係を演出することに終始した。(原川貴郎)

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