既存野党への牽制? れいわとN国が与党にじわり接近

 結党して間もないれいわ新選組とNHKから国民を守る党が与党との協力を模索している。重い障害を持つ参院議員を抱えるれいわは障害者支援などで働きかけを強化しており、N国党はNHKの「スクランブル放送」実現へ向けて連携を目指す。立憲民主党などが統一会派結成で共闘を強めるなか、新興野党はそれぞれが掲げる政策の実現を最優先に、永田町の常識を打ち破ろうとしている。

 「所属政党は違うが切礎琢磨したい」。難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者のれいわの舩後靖彦参院議員は9月4日、首相官邸で安倍晋三首相と面会してこう伝えた。首相と出会ってから15年以上がたち、「メル友」でもあるという舩後氏は「ALSを含めた重度障害者の社会参加ができる社会」を目指す決意も示した。

 同党には舩後氏に加え、重度障害者の木村英子参院議員が所属する。障害者支援の強化を目指すれいわの関係者は「自民党などの力を借りて物事を進める立場が正解だ」と話す。

 与党も両氏をバックアップする。頸髄(けいずい)を損傷して車いす生活を送る自民の谷垣禎一前幹事長は9月11日、特別顧問を務める谷垣グループ(有隣会)の研修会で「車いすの方が国会で増えた。他党だが国会で実質的な仕事ができるよう工夫してほしい」と訴えた。

 参院議院運営委員会は10月3日の理事会で、参院議員の公用車について、車いすのまま乗り降りできる福祉車両を3台導入することを決めた。契約などの手続きを経て、早ければ来年3月ごろから導入される。公用車の福祉車両は木村、舩後両氏と、国民民主党の横沢高徳氏が要望していた。

 消費税廃止を掲げるれいわは、次期衆院選を見据えて共産党が提唱する「野党連合政権」樹立に協力する方針を示している。与党への“接近”には、連合政権に後ろ向きな立民など他の野党を自陣に引き込むための牽制(けんせい)にも見える。

 一方、受信料を支払った人だけがNHKを視聴できる「スクランブル放送」の実現を主張するN国党の立花孝志党首は、「与党の連立政権に入れてもらえるようなことになればスクランブル放送実現も早いのではないか」と強調。9月17日の記者会見では立民の集票力に陰りが出てきたと指摘した上で、統一会派について「困った者同士がひっついてる感が否めない」と突き放した。

 新勢力がこれまでの常識にとらわれず、是々非々で動いていることは、今後の政局に少なからず影響を与えそうだ。(中村智隆)

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