消費税10% 社会保障改革の本丸へ「支え手」確保 医療・介護で負担増も

 全世代が安心できる社会保障制度の構築を目指している政府は、1日に10%に引き上げられた消費税を財源とする幼児教育・保育の無償化に続き、今後は社会保障制度改革の本丸である年金、医療、介護の分野に切り込むことになる。少子高齢化を背景に給付抑制と負担増という「痛み」を伴う改革にどこまで踏み込めるかが焦点となる。

 政府が「全世代」と強調するのは、「子ども・子育て支援」を社会保障の一つに位置づけているためで、世論に受け入れられやすい幼保無償化などを先行させた。一方、国民の負担増が予想される医療、介護の制度改革には、高齢者を中心に反発が起きるのは確実で、改革実現のハードルは高い。

 しかも安倍晋三首相は消費税率のさらなる引き上げについて「今後10年間くらい」は不要との認識を示す。9月に設置した「全世代型社会保障検討会議」では、税率アップを封印して検討を進める見通しだ。

 新たな税財源なしで社会保障制度の財政基盤を強化するための政策が、70歳までの就業機会確保やバブル崩壊後の就職難を経験した就職氷河期世代への就労支援だ。社会保障制度の「支え手」を増やす-。政府が掲げるキャッチフレーズ「人生100年時代」「1億総活躍社会」にはそんな狙いが込められている。

 年金の制度改正で検討している、パートやアルバイトなどの短時間労働者への厚生年金の適用拡大も、財政基盤強化策の一環だ。医療、介護の分野では、75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担や、介護サービスの利用者負担の原則1割から2割への引き上げなどを議論する見通しだ。

 令和4(2022)年から団塊の世代(昭和22~24年生まれ)は後期高齢者になり始め、社会保障費は急増していく。団塊ジュニア世代(昭和46~49年生まれ)全員が65歳以上になり、高齢者数がピークに近づく令和22(2040)年をにらみ政府は制度改正を急ぐ。(坂井広志)

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