古賀氏に「つくしの坊や」と言われた岸田氏「ポスト安倍」戦略の行方は

【政界徒然草】

 自民党の岸田文雄政調会長をめぐり、岸田派(宏池会、46人)で名誉会長を務める古賀誠元幹事長の発言が波紋を広げている。「ポスト安倍」に意欲を示す岸田氏が安倍晋三首相からの禅譲を目指していることについて、古賀氏は8月20日夜のBSフジ番組で「いくら禅譲といっても『つくしの坊や』じゃないが、ポキッと折れたら何もない」と指摘したのだ。岸田氏の後見人でもある古賀氏の厳しい言葉の背景には、何があるのか。

 「『ポスト安倍』であることは間違いないが、修羅場や政治センスという意味で一苦労、二苦労してもいい。余力のある年齢だ」

 古賀氏は番組で、岸田氏は必ずしも次期首相にこだわる必要はないとの認識を示した。岸田氏を突き放すような言い方をする一方で、菅義偉官房長官については「庶民に生まれてはい上がってきた人で(私と)同じ土のにおいがする。政権を担ってもらいたい」と持ち上げた。

 菅氏は、岸田派が古賀派だった時代の所属議員だった縁がある。古賀氏は4月8日にも、岸田氏について「ポスト安倍候補の一人ということは否定しないが、必ずしもポスト安倍でなければいけないということではない」と述べている。このときも、次期首相候補として菅氏の名前を挙げ、派内に波紋を呼んだ。

 昨年の総裁選で立候補を見送った岸田氏は、次期総裁選で首相からの禅譲を基本戦略に据えている。首相と岸田氏は平成5年の初当選同期。岸田氏の手堅い仕事ぶりに対する首相の信頼は厚く、岸田氏は安倍政権下で4年7カ月も外相を務めた。

 総裁選後も2人で定期的に会食するなど良好な関係を維持していることについて、首相に批判的な古賀氏は不満をもっているとされる。

 古賀氏は、政界引退後も地元・福岡をはじめ九州地方選出の若手国会議員らを中心に強い影響力を持っている。これらの若手議員は、総裁選で岸田氏に出馬を促す主戦論者が多かった。立候補を見送った岸田氏に物足りなさを感じている者も少なくない。

 古賀氏の言動は、党内で菅氏が「ポスト安倍」候補として急浮上していることも影響しているとみられる。菅氏は新しい元号「令和」の発表で脚光を浴び、最近は国民的人気が高い小泉進次郎厚生労働部会長との連携も目立っている。

 小泉氏は8月7日、首相官邸に菅氏を訪ね、滝川クリステルさんとの結婚を報告。同月10日発売の月刊誌「文芸春秋」では菅氏と小泉氏が対談し、菅氏は9月の内閣改造での小泉氏の初入閣について「私はいいと思います」と発言した。対談掲載のタイミングの良さに「菅氏は小泉氏の後見人となった」との見方もある。

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