小池知事が初訪中、五輪で連携 住民交流で関係改善力示す

 【北京=天野健作】東京都の小池百合子知事は26日、北京を訪問し、2022年北京冬季五輪・パラリンピック組織委員会主席で、蔡奇(さいき)・北京市共産党委員会書記と会談した。知事としての初めての訪中で、来年開かれる東京五輪・パラに向けて、連携を確認した。

 小池知事は、東京と北京が姉妹都市提携を結んで今年で40年の節目を迎えたことを機に訪中。蔡氏に続いて陳吉寧北京市長とも会い、教育や医療、環境など10分野について「両都市の交流・協力」を記した合意書に署名した。

 スポーツの分野では「五輪・パラリンピック」が明記され、大会に向けて関係職員が相互に訪問するなど協力を強化する。文化の分野では、江戸東京博物館(墨田区)と北京首都博物館との交流も盛り込まれた。

 小池知事は会談後、「五輪・パラでお互いに知見を共有し、北京にバトンタッチする」と話した。

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 史上最悪とされる日韓関係の影響で、自治体や民間交流に支障が出ている。韓国・水原市は、北海道旭川市での姉妹都市提携30周年の記念式典参加を中止したほか、各地でも小中高生のスポーツ交流事業の中止など交流の断絶が目立つ。過去には日中関係も歴史認識や靖国神社参拝などをめぐって先鋭化したが、首都・東京と北京の姉妹都市関係は維持されてきた。

 平成24年に民主党(当時)の野田佳彦政権が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化した際に対日感情が急速に悪化し、大規模な反日デモが中国全土で巻き起こった。都によると、それでも東京と北京の関係が断絶することはなかったという。

 石原慎太郎都知事(当時)は国際会議「アジア大都市ネットワーク21」を発足させた。2005年には北京が台北との次期総会開催都市をめぐる軋轢(あつれき)などを理由に脱退した経緯もある。しかし後年、東京で開かれたユースサッカー大会に北京から参加があったり、都庁で北京写真展も開かれたり、交流は続けられてきた。

 自民党の二階俊博幹事長は今月20日、小池百合子都知事と一緒に臨んだ政治団体のセミナーで、「知事の訪中が成功なら、中国の観光客がどっとやってくる。その引き金を引く訪中だ」と背中を押した。

 東京と姉妹都市を結ぶ都市は世界に12ある。北京との友好はニューヨークに次いで古い。姉妹都市交流に詳しい日本国際センターの毛受(めんじゅ)敏浩執行理事は「住民同士の交流は国の外交とは異なる別の価値がある。隣国との間で大きな波や嵐は避けられない。だが、草の根レベルの信頼関係の土台があるからこそ、国同士の関係が悪くなっても関係を戻す『復元力』が働く」と語った。

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