政府、皇位継承安定の道探る 秋から議論本格化

 安定的な皇位継承の在り方をめぐる政府の動きが今秋以降、本格化する見通しだ。平成29年6月成立の譲位特例法の付帯決議が政府に対し「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」などを速やかに検討することを求めているからだ。

 政府は、10月22日の「即位礼正殿の儀」(即位の礼)などの皇位継承に伴う儀式後に具体的な検討に着手するとみられ、有識者らからのヒアリングを想定している。付帯決議は検討結果について「速やかな国会への報告」も求めるが、詳細な期限は設けていない。

 安定的な皇位継承への対応が求められるのは、皇位を継承される若い男性皇族が現在、12歳の秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまお1人しかいないためだ。

 小泉純一郎首相だった16年末、政府は皇室典範に関する有識者会議を設置し、17年に女性天皇や女系天皇も認める皇室典範改正案をまとめた。しかし、男系による皇位継承の伝統を破るとして批判は根強く、18年9月の悠仁さまご誕生もあって国会には提出されなかった。その後、野田佳彦首相が女性宮家創設に向けた議論に意欲を示し、24年に論点整理をまとめたが、政権交代に伴い白紙となった。

 付帯決議は「女性宮家の創設等」も検討対象とした。ただ、これは女性皇族がご結婚により皇室を離れた場合、悠仁さまの代の宮家が1つだけとなり、皇室活動が停滞する可能性があるための対応で、皇位継承とは別次元の課題となる。

 付帯決議は、政府の報告を受け「安定的な皇位継承を確保するための方策」について「『立法府の総意』が取りまとめられるよう検討を行う」とも明記した。立憲民主党は女系天皇容認を打ち出しており、安倍晋三首相はじめ男系維持を重視する議員が多い自民党などと統一の見解をまとめるのは困難が予想される。

 ■男系による皇位継承 皇位は初代の神武天皇から現在の天皇陛下まで126代にわたり、一度の例外もなく父方に天皇がいる男系が維持されてきた。母方のみが天皇の「女系天皇」は、これまでとは全く別の皇統となる。過去に10代8人存在した「女性天皇」は、いずれも男系につながっており、「女系天皇」と明確に異なる。女性天皇の実子が皇位を継承したこともない。仮に女性皇族が、男系の流れをくむ旧宮家の男性と結婚した場合、その子供は男系となる。皇室典範は皇位継承者を男系男子に限定しており、女系・女性天皇や旧宮家の復活には同法の改正などが必要となる。

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