韓国擁護のため“ピンぼけ”日本批判に走る左派マスコミ… 輸出管理強化はルールに沿った運用

ニュースの核心

 日本政府は、半導体製造に不可欠なフッ化水素など3品目について、韓国への輸出管理を見直す方針を決めた。これについて、左派系マスコミが「自由貿易を守れ」などと一斉に批判している。

 例えば、朝日新聞は「対韓輸出規制 『報復』を即時撤回せよ」と題した3日付の社説で、「自由貿易の原則をねじ曲げる措置」と批判した。毎日新聞も「通商国家の利益を損ねる」という4日付社説で「日本が重視してきた自由貿易の原則をゆがめるものだ」と指摘した。

 朝日や毎日は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓国がどういう国なのか、きちんと認識しているのだろうか。

 いまさらだが、慰安婦問題では日韓両国が合意して設立した「和解・癒やし財団」を韓国は一方的に解散した。自衛隊機に対するレーダー照射事件では、言い逃れに終始した。いわゆる「元徴用工」の異常判決でも、文政権は日韓請求権協定を無視して、日本企業への賠償要求を事実上、容認したままだ。

 とりわけ見逃せないのは、北朝鮮への宥和姿勢である。

 韓国は表向き「非核化」を求めているが、海上自衛隊は韓国籍の船が北朝鮮のタンカーに横付けした現場を確認している。韓国は北朝鮮に原油を供給する瀬取りに積極的に加担している疑いが強い。

 一言で言えば、韓国は日本に敵対するだけでなく、日本を脅かす北朝鮮を支援しているのだ。

 今回、日本政府は「韓国側の輸出管理に不備があり、『不適切事案』が複数発生した」と指摘している。具体的中身は明らかにしていないが、韓国は3品目を北朝鮮に横流している可能性がある。いずれも軍事転用が可能である。

 つまり、今回の措置は「日本の国益と安全保障をどう守るか」という話なのだ。世界貿易機関(WTO)の貿易ルールは、安全保障を理由にした禁輸措置を認めている。

 しかも、である。

 そもそも、日本政府は3品目を禁輸していない。3品目を含めて包括的に認めてきた韓国向け輸出を個別契約ごとの審査に切り替えただけだ。なぜかといえば、前提である韓国の貿易管理体制が信頼できないからである。

 日本は包括的認可の対象国を「ホワイト国」として扱っている。だが、相手が信頼できないならリストから除外し、元の個別認可に戻るのは当然だ。そうしなければ、日本の貿易管理体制に疑問が生じてしまう。

 もちろん個別審査の結果、輸出を許可しない事例も出てくるだろう。「不適切事案」があったなら、それまた当然である。軍用品に転用可能な素材である以上、それなりに厳格に管理してもらわなければならない。

 それでも「韓国への報復ではないか」という議論はあるだろう。私もそう思うし、報復すべきだとも思う。だが、政治論と貿易手続き論は別だ。左派マスコミが「自由貿易を守れ」などとピンぼけ批判を繰り返す限り、日本政府は痛くも痒(かゆ)くもない。ルールに沿って運用しているからだ。

 むしろ、これで明らかになったのは、安倍晋三政権を批判するためなら、韓国擁護も躊躇(ちゅうちょ)しない「左派マスコミの政治的体質」である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

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