参院選公示 東京選挙区は20人出馬、激戦へ

 4日公示された参院選で、東京選挙区(改選数6)には20人が立候補し、雨模様の街で舌戦がスタートした。現職の山本太郎氏(44)=れいわ新選組代表=が直前に比例代表に転出したため、現職の立候補は4人(自民2人、公明・共産各1人)。1増の改選数と合わせて新人らの当選可能性が高まった格好で、2人を擁立した立民のほかに国民、維新、社民など各党候補による激しい戦いが予想される。れいわ、オリーブの木、NHKから国民を守る党、安楽死制度を考える会なども候補者を擁立した。選挙人名簿登録者数は3日現在で1148万8894人。

 主な選挙区立候補者の第一声は以下の通り(届け出順)。

 ■丸川珠代氏(自民党現職)

 午前10時、港区の東京メトロ外苑前駅近くで、官房長官の菅義偉氏(70)とともに第一声を上げた。

 任期中に五輪相や環境相を歴任したことを踏まえ、「ラグビーワールドカップや東京五輪・パラリンピックが迫っている。東京の力を最大限に磨き輝かせたい」と述べ、幅広い世代がスポーツに親しめる文化を育成することを主張。インフラの整備などにより、災害やテロに強い街づくりも打ち出した。

 一方、科学技術の発達を受け、人間らしさを持ちながら、人工知能などを使いこなせる教育の重要性を強調。任期中に自らも子育てと介護をした経験から、「介護する側、される側がそれぞれ安心できる環境を整備する」と訴えた。

 ■塩村文夏氏(立憲民主党新人)

 雨が降りしきる中、午前10時過ぎから新宿区の新宿駅東南口で「これまでの政治は本当におかしかった」と声を張り上げ、選挙戦をスタートさせた。

 待機児童問題や子育て支援策など、自身の都議時代の取り組みをまずアピール。その後、「私たちの暮らしは良くなったのか。総理が言うように、本当に景気回復を実感できているのか」と問いかけ、安倍政権の景気回復施策などに疑問を呈した。

 さらに介護給付費の削減や、「老後資金2千万円」が必要とされた年金問題にも言及。これらの問題への取り組みを約束し、「どうか皆さんと今のおかしな政治を変えていきたい。安心して年をとれる日本に私はしていきたい」と訴えた。

 ■武見敬三氏(自民党現職)

 正午から中央区の選挙事務所前で始まった決意表明。雨あがりのビジネス街に集まった支援者らを前に「多くの皆さんの激励に、責任の重さを深くかみしめている」と感謝した。

 父は元日本医師会会長の太郎氏。少子高齢化など日本社会が変革期を迎える中で、「安定した政権を堅持し、わが国が誤りなき道を歩むための地盤を東京選挙区でしっかりと確立することが私の役目」と話した。

 また、「働く意欲のある高齢者が仕事を継続し、所得を確保すれば、若い世代への負担軽減にもつながる」と訴えた。

 演説後、山本太郎氏の比例代表転出について「彼の支持票は自民以外に行くだろう。私には厳しい戦いだ」と危機感を示した。

 ■山口那津男氏(公明党現職)

 午後4時半、大田区のJR蒲田駅西口で第一声を上げた。令和初の国政選挙について「これからの日本をどう形作っていくかが問われる重要な選挙だ」と強調。「小さな声を政策として形にできるのは公明党しかない。全国を駆け巡って仲間を勝たせる」と話し、過去最大の議席獲得に意欲を見せた。

 都の取り組むべき課題として待機児童問題を挙げた。教育無償化や保育の受け皿を増やすなどして子育て施策をさらに充実させることで、「待機児童が生じないようにする」と力を込めた。来年に控えた東京五輪・パラリンピックに向けては、「世界に誇るべきバリアフリーのまちづくりを進めていく」と強調し、聴衆からの拍手を浴びた。

 ■山岸一生氏(立憲民主党新人)

 午前10時すぎ、新宿区の新宿駅東南口。応援に駆けつけた党代表の枝野幸男氏(55)の傍らで、「政府の隠し事を許しません」と声を張り上げた。

 朝日新聞の政治記者時代を振り返り、「ものを言えない空気に飲まれかけた」と経験を披露。「官僚が総理官邸を忖度(そんたく)しないでいい、記者が自由に質問ができる社会をつくる」と力を込めた。

 年金暮らしの高齢者や仕事に就けない若者について「自分のせいにしなければいけない空気があるが、本当に私たちのせいなのか。生きづらさは自己責任じゃない」と強調。「6年半続いた今のおかしな政治を変えたい。おかしな空気をみんなで晴らしましょう」と呼びかけた。

 ■吉良佳子氏(共産党現職)

 午前10時、新宿区の新宿駅西口で、志位和夫委員長(64)らとともにマイクを握った。

 冒頭、過重労働や賃金不払いなど労働条件が劣悪な「ブラック企業」の取り締まり強化に取り組んだ実績を強調し、「給料が安いから残業し長時間労働になるという悪循環を断つため、最低賃金を時給1500円にし、8時間働けば普通に暮らせる社会を実現する」と主張。年金問題も制度改革の必要性を指摘した。

 安倍政権には「財源確保と言いながら庶民に消費税増税を押しつけ、一方で米国の言いなりに武器を爆買いしている」と批判。「野党を勝たせてください。ただ比例代表は日本共産党と覚えてください」と訴える場面もあった。

 ■水野素子氏(国民民主党新人)

 午前11時、武蔵野市の吉祥寺駅前でマイクを握り、「技術と人への投資で、イノベーション立国を復活させたい」と訴えた。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)を休職しての出馬。有人ロケットや宇宙開発を例に挙げ、「各国が投資を強める中、日本は科学技術への投資が増えていない」と安倍政権を批判。さらにJAXAでの実績を強調し、「国会の場で日本の競争戦略、成長戦略を提案したい」と力を込めた。

 一方、2人の子供の子育て中であることから、「宇宙かあさん」のニックネームで自己紹介。「育児・介護・家事に頑張る市民の思いは、市民にしか分からない。お母さんの視点で日本の未来を開きます」と支持を求めた。

 ■朝倉玲子氏(社民党新人)

 午前10時半、新宿区の新宿駅南口で、党幹事長の吉川元(はじめ)衆院議員(52)らとともに、雨の中でマイクを握った。

 冒頭、「30年間にわたって働く人たちから相談を受け、解決してきた」と振り返り、全国一般三多摩労働組合書記長などを務めてきた経験から、自らを「労働問題解決のプロ」とアピールした。

 そして「働く人の生活を良くしていく」を最優先テーマに掲げ、全国一律最低賃金1500円の実現や、年金制度の見直し、消費税10%増税中止などを主張。「給料が安いのは国の責任。働く人の声を政治に届ける。私を頼ってください。一緒に労働問題を解決していきましょう」と声を張り上げた。

 ■音喜多駿氏(日本維新の会新人)

 地元・北区の十条駅で、午前10時半前に出陣式をスタート。小雨の中、傘を差さずに道行く人へ声をかけ続けた。

 4月の北区長選で落選。今回の出馬について「落選という重い結果を受け、進退について深く考えた。5万4072人からの思いを無駄にしてしまうわけにはいかない。もう一度戦いたい」と決意表明した。

 社会保障で「他党はもっともっと水を注ぎ続けると言っているが、バケツを抜本的に交換しなければ」と指摘。「年金制度を若い世代が損をしない、世代間の公平性が担保された制度に変えていく」とする一方、「緊縮ばかりではと思われがちだが、使うべきところ、将来世代には大胆に投資をしていく」と訴えた。

 ■七海ひろこ氏(幸福実現党新人)

 千代田区の有楽町駅前で正午、釈量子党首(49)の応援を受けながら、「与党でもない、野党でもない、新しい選択肢としての幸福実現党を、皆さんに選んでいただきたいと心の底より思っている」と声を張り上げた。

 香港で続く混乱に触れながら、「ほかのどの政党も言っていない争点」として「対中国戦略で他の国々と力を合わせ、絶対に中国の人権弾圧を許さない、言論統制を許さない。これをしっかり言っている政党は一体どこなのか。見極めていただきたいと思う」と訴えた。

 また、結党以来、消費増税に反対する立場を維持してきたとして「消費税減税、5%に戻そうではないか」と呼びかけた。

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