秋田選挙区「イージス・アショア」問題で自民“大逆風” 資料ミス、防衛省職員居眠りに県民怒り

参院選2019

 3年前の参院選では、安倍晋三政権のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)推進方針に、農業票が反発した。自民党は東北で「1勝5敗」とボロ負けで、唯一勝利したのが秋田県だ。ところが今回、秋田市が候補地となっている地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の説明資料に誤りがあった問題で、自民党に逆風が直撃している。

 「わが党の中泉松司参院議員や地元自民党は、問題発覚前から『住民の声をよく聞き、住民が納得できるように、ゼロベースで対応すべきだ』と訴えてきた。『政府・防衛省=自民党』とみられるのが一番困る」

 自民党関係者はこう困惑する。

 イージス・アショア配備をめぐっては、防衛省の職員が安易に3次元地図サービス「グーグルアース」を利用したため、レーダーの障害となる山の標高など、説明資料にミスが見つかった。さらに、住民説明会で同省職員の居眠りが指摘され、火に油を注いだ。

 党関係者は「地元選出の金田勝年衆院議員が街頭演説で『(防衛省職員が)分度器で測った? 居眠り? 笑わせるな!』と激怒した。あの怒りが自民党の本音です」と語る。

 議席死守のため、自民党大物も動いた。

 二階俊博幹事長の尽力もあり、前回は自主投票だった秋田県農協政治連盟(県農政連)の推薦を得た。秋田出身の菅義偉官房長官が6月、異例の秋田入りして激を飛ばした。岸田文雄政調会長は派閥領袖(りょうしゅう)として防衛省の姿勢を猛批判した。

 佐竹敬久(のりひさ)知事も、中泉氏支持を打ち出したという。

 これに対し、野党陣営は、民主党政権時代に「菅直人首相の側近」といわれた寺田学衆院議員(立憲民主党会派)の夫人で、無所属の寺田静氏を統一候補として推す。イージス・アショアには「反対」だ。

 地元県議がいう。

 「秋田で『寺田家』といえば、学氏の父で、横手市長や県知事、参院議員を歴任した寺田典城(すけしろ)氏もいる。知名度は抜群だ」

 寺田事務所の広報担当者は「寺田は、野党統一候補というより無所属出馬。主婦目線で年金問題や、消費税増税反対、農家への個別所得補償制度の復活などを愚直に訴えていきたい」と語る。

 ずさんな防衛省への怒りと、不安を抱える無党派層などに寺田氏は支持を広めているという。(ジャーナリスト・田村建雄)

 【秋田選挙区の主な立候補予定者】(改選定数1)

 ▲中泉松司40   自現

  石岡隆治45   諸新

 △寺田 静44   無新

 ※○は「優勢」、△は「やや優勢」、▲は「やや劣勢」。夕刊フジが世論調査や取材結果などから独自に判定した。

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