内閣不信任案否決で「解散風」やむ…与党は7・21参院選決戦に全力

 安倍晋三内閣不信任決議案が25日の衆院本会議で否決された。与党は、夏の参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選の可能性が事実上なくなり、今国会が26日の会期末で延長なく閉会することを踏まえ、今後は参院選対策に全力を傾ける。一方、不信任案を提出した野党5党派は、直前まで各党間の足並みがそろわず、参院選の野党共闘にも暗い影を残した。

 「党は一致団結をし、選挙に勝ち抜くように全力を尽くす。圧勝を期したい」

 自民党の二階俊博幹事長は不信任案を否決後、記者団に、力強い口調で参院選への決意をこう語った。

 自民党内にも、同日選の有無は不信任案の採決直前まで「首相にしか分からない」(閣僚経験者)などと疑心暗鬼の声があった。ただ、今国会で官邸側が時折吹かせた「解散風」は、確実に党全体を引き締める効果を生んだ。

 5月17日、菅義偉官房長官が野党による不信任案の提出が「(衆院)解散の大義になる」と明言した後、解散風は一気に強まった。

 今回の参院選は、平成25年参院選で自民が現行制度下で最多の65議席を獲得した議員が改選を迎える。反動減が予想されるが、解散風を受け衆院議員が動き始め「組織がだいぶ引き締まった」(党幹部)という。

 実際、5月以降に自民党が行った情勢調査では、参院選単独でも与党が堅調に議席を確保できる結果が出た。首相はこうした情勢を踏まえ、与党が圧倒的多数を誇る衆院勢力を減らすリスクを抱える同日選を見送る方向へと傾いた。

 終盤国会では、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書が野党の攻撃材料になり、解散風は一層弱まった。

 同日選に消極的だった公明党の斉藤鉄夫幹事長は25日「報告書の問題など反省すべきは反省し、政府与党一体となって参院選に取り組まなければならない」と述べ、表情を引き締めた。(長嶋雅子)

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