「最高の一日」首相流おもてなし外交の舞台裏 米大統領来日

 令和初の国賓として来日したトランプ米大統領が28日、3泊4日の日程を終えて帰国した。安倍晋三首相はトランプ氏との個人的な信頼関係を一段と深め、日米が「世界で最も緊密な同盟」であることを国内外に示したといえる。首相は首脳会談に先立ち、ゴルフ、大相撲観戦、夕食会でトランプ氏を手厚く接待し、賛否両論が渦巻いた。首相が仕掛けた「おもてなし外交」の舞台裏に迫った。

 バババババッ-。26日午前9時過ぎ、千葉県茂原(もばら)市のゴルフ場に1機のヘリコプターが轟音(ごうおん)とともに姿を現した。風圧に耐える報道陣をよそに、機体は悠然とフェアウエーのど真ん中に着陸。ゴルフコースにヘリで登場する非日常的な光景に豪快さを感じた。

 到着を待ち構えていた安倍首相はトランプ氏に歩み寄って握手を交わす。その自然な姿からも親密さが感じられる。トランプ氏は首相が運転するカートに乗り込み、クラブハウスへと向かった。

 これを「朝日新聞霞クラブ」はツイッターで「とうとうトランプ大統領の運転手に。。」と皮肉ったが、首相が訪米した際のゴルフではトランプ氏が運転していた。これが洋の東西を問わず、客人へのマナーというものなのだろう。

 「グレイトショット!」

 トランプ氏のバンカーショットがピン側に寄ると、周囲から歓声が上がり、当人はご満悦の様子だったという。両首脳は計16ホールを約2時間半かけてプレー。スコアはこれまで通り「国家機密」だった。

 ゴルフに続いて、夕方の大相撲観戦を終えると、2人を乗せた大統領専用車は東京・六本木の炉端焼き店へ。周囲の道路は約1・5キロにわたって封鎖され、店の周辺はシークレットサービス(米大統領警護隊)が立ち並び、厳戒態勢が敷かれた。周囲は2人の姿を見ようと通行人であふれ、異様な空気に包まれていた。

 午後6時過ぎ、店前に張られた巨大テントの中に大統領専用車が吸い込まれ、2人がテント内に敷かれた赤いカーペットの通路を通って店内に入っていった。

 「じゃがいも、お待ちどうさまでーす!」

 2人が着席すると、店員のかけ声とともに、大きなしゃもじで「じゃがバター」が差し出された。だが、皿を受け取るトランプ氏の表情が険しい。疲れているのか、それとも何か気になることがあったのか。その表情から読み取ることは難しかった。

 一連の接待には「やり過ぎだ」との批判の声も上がった。ただ、唯一無二の同盟国の首脳と多くの時間を共有し、緊密な関係を構築することは日本の国益に資するはずだ。日米は貿易交渉も抱えており、相手の本音を探らずに、まともな交渉など期待できまい。ましてやタフネゴシエーターで知られるトランプ氏が相手ではなおさらだろう。政治は結果が全てだ。日本の国益になるのか、ならないのか…。

 トランプ氏はこの日夜に更新したツイッターで首相に感謝した。

 「最高の一日だった。ありがとう安倍晋三」

      (広池慶一)

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