日米首脳「かが」乗艦、中国を牽制同盟強くアピール

 安倍晋三首相がトランプ米大統領の来日を締めくくる舞台として海上自衛隊の護衛艦「かが」を選んだのは、法の支配に基づく秩序を脅かす中国に対し、揺るぎない日米同盟を強く印象づけるためだ。

 28日午前10時半、かがの飛行甲板に米大統領専用ヘリ「マリーンワン」が着艦した。先に到着していた首相がトランプ氏に歩み寄って握手を交わすと、両首脳は並んで艦上を歩いた。海自護衛艦隊司令官や呉地方総監を歴任した池田徳宏元海将は「日米の首脳が『かが』に並び立つ姿ほど中国にとってやっかいな画(え)はないはずだ」と語る。

 「かが」はいずも型護衛艦の2番艦で、1番艦の「いずも」と並び海自最大の艦体を誇る。政府はこの2隻を事実上の「空母」に改修する方針だ。東シナ海から太平洋への進出を図る中国の脅威を念頭に、海上・航空優勢を確保するための切り札と位置づける。

 安倍政権が提唱する「自由で開かれたインド太平洋構想」を最前線で支える存在でもある。海自は昨年から「インド太平洋方面派遣訓練」を開始。2カ月以上にわたり南シナ海やインド洋をめぐり、沿岸国との共同訓練を通じて関係強化を図っている。昨年はかが、今年はいずもがその大役を担った。2隻は能力とプレゼンス(存在感)の両面で海自の象徴となっている。

 これまで英国のメイ首相とフィリピンのドゥテルテ大統領がいずも型を視察しているが、安倍首相が自らエスコートしたのは今回が初めて。平成27年10月に行われた海自観艦式後には、安倍首相が米原子力空母ロナルド・レーガンに現職首相として初めて乗った。日米首脳が互いの中枢艦に乗艦し合う姿は、一方的な現状変更を試みる中国への抑止力として高い効果を発揮するはずだ。

       (石鍋圭)

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