自民・石破氏&立民・山尾氏 改憲議論めぐる奇妙な蜜月

【政界徒然草】

 自民党の石破茂元幹事長と立憲民主党の山尾志桜里衆院議員という、党派を超えた異色のコンビが永田町で話題となっている。憲法改正論議を喚起しようと一緒に講演に立ち、お互いの姿勢をたたえるなど蜜月関係を築く。それぞれの党内では孤立しがちな2人だが、長いものに巻かれまいと持論を吐く姿勢にひかれ合っているようだ。

 「憲法議論における政党の役割とは何でしょうか。すごく悩んでいる…」

 東京都渋谷区で11日、立憲民主党の支持者を中心とする市民有志が開いた憲法の勉強会で、講師に招かれた石破氏に対し、山尾氏は参加者の1人としてこう質問をぶつけた。

 「それぞれ政党支部のある地域で『憲法の議論をしませんか』というのが政党。こっちから語らないで国民から(改憲に向けた)世論がわき起こるなんて、政治家の妙な思い込みだ」

 石破氏の回答に山尾氏は「その通り」と言わんばかりに何度もうなずいた。

 2人は1月12日にも、札幌市で地元の弁護士会が主催した憲法討論会に出席し、パネルディスカッションで憲法論を戦わせた。

 憲法改正をめぐる2人のスタンスは異なる。憲法9条の問題に限れば、石破氏は戦力の不保持を定めた2項の削除を持論とし、集団的自衛権行使は全面的に認める立場だ。一方、山尾氏は改憲によって自衛権の範囲を個別的自衛権に制限すべきと考えている。

 ■きっかけは山尾氏への無関心?

 所属政党も考えも異なる2人が接近したのは、昨年10月下旬のことだった。

 山尾氏は衆院議員会館のエレベーターで偶然、石破氏と一緒になった。安倍首相の“天敵”を自任する山尾氏にとって「敵の敵は味方」なのか。総裁選で安倍首相と戦った石破氏をねぎらうように声をかけた。

山尾氏「これから私の『立憲的改憲』の出版パーティーがあるんですよ」

石破氏「『立憲的改憲』?なんだね、それは」

山尾氏「…」

 山尾氏は表情こそ変えなかったが、石破氏が山尾氏の政策の代名詞である「立憲的改憲」の言葉を知らなかったのはプライドを傷つけられたことだろう。すぐに石破氏に著書を送った。

 「立憲的改憲」(ちくま新書)とは、平成27年の安全保障関連法の国会審議に参考人として招かれた東京外国語大大学院の伊勢崎賢治教授や、安倍政権に批判的な阪田雅裕元内閣法制局長官らの対談集だ。

 石破氏は山尾氏の著書を読むと、自身のブログで「政策的な立場は全く違うが、極めて示唆に富む。論理は精緻なものだ。このような議論が野党内で活発に行われ、それが国会で論じられるようになればいい」と評価してみせた。

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