文政権の「反日」姿勢は理解不能だが… 自衛隊と韓国軍の緊密連携は必要

 【国を守る覚悟】

 韓国による、常軌を逸した「反日」的な振る舞いを受けて、多くの日本人から「韓国はいい加減にしろ!」「もう韓国にはうんざりした」との声が噴出している。朴槿恵(パク・クネ)前政権時代にもあったが、文在寅(ムン・ジェイン)政権になって、さらに高まったといえる。韓国国会議長による「天皇陛下への謝罪要求」まで飛び出し、現在、日本人が韓国に対して抱く感情は「過去最悪」と言っていい。

 慰安婦問題で、日本はこれまで情理を尽くして韓国に対応してきた。米国の仲介もあって、日韓両国は2015年、「最終的かつ不可逆的に解決」することで合意した。だが、文政権は、日本が10億円を拠出した慰安婦支援の財団を一方的に解散した。

 いわゆる「元徴用工」の異常判決は、日韓の請求権問題を「完全かつ最終的に解決」するとした1965年の日韓請求権・経済協力協定を反故(ほご)にするものだ。日本は当時、外貨準備が18億ドルしかなかったが、有償、無償合わせて5億ドルを韓国に提供した。韓国はこれで「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる高度成長を遂げた。

 条約締結後40年もたってから問題を蒸し返す韓国という国は、まったく理解し難い。

 韓国海軍駆逐艦が昨年12月、海上自衛隊哨戒機に火器管制用レーダーを照射した事件は、危険極まる行為であり、明確な海上衝突回避規範(CUES)違反である。だが、韓国側は事実関係を認めないどころか、あたかも自衛隊に非があるがごとく吹聴している。

 安全保障の分野では、日本と米国は日米同盟、韓国と米国は米韓同盟、日韓間には日韓秘密軍事情報保護規定(GSOMIA)が締結されている。朝鮮半島有事の際、日米韓は連携して対処せねばならない。友好国軍として敬意を払ってきた、私の知る韓国軍はどこへ行ったのか。

 日本では「韓国軍はもはや、友好国の軍隊ではない」という意見も出ている。気持ちは分かるが冷静に考えてほしい。

 どこの国の軍隊も、最高指揮官の命令には逆らえない。逆らうことはクーデターを意味するからだ。韓国軍の現在の最高指揮官は「反日」の文大統領である。鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は「知日派」の大臣だが、すべてを承知のうえで、苦渋の嘘をつかざるを得ないのではないか。

 日本政府は、韓国に一歩も譲ることはない。ただ、戦略的に韓国とは直接交渉せず、国際社会に韓国の理不尽さを訴えていくべきだ。直接交渉は韓国国民に火をつけ、北朝鮮を喜ばすだけだ。

 一方で、自衛隊と韓国軍はOBを含めて、緊密に連携をしておく必要がある。北朝鮮という軍事的脅威は存在している。自衛隊と韓国軍が緊密に連携していくことで米軍に安心感を与え、東アジアの平和と安定に関与する環境が整う。

 ■火箱芳文(ひばこ・よしふみ) 1951年、福岡県生まれ。74年3月、防衛大学校(18期生)卒業後、陸上自衛隊に入隊。普通科(歩兵)幹部として幹部レンジャー課程などを経て、第1空挺団中隊長(習志野)、陸上幕僚監部幕僚などを務めた。2009年3月に第32代陸上幕僚長に就任。東日本大震災では陸幕長として震災対応に当たる。11年8月に退官。現在、安全保障懇話会理事長、国家基本問題研究所理事、偕行社理事、筑波大非常勤講師、全日本柔道連盟理事などを務める。柔道5段。著書に『即動必遂』(マネジメント社)。

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