「京都から次世代担う産業を」令和を迎え西脇隆俊京都府知事に聞く

 「令和」の元号をテレビで初めて聞いたとき、ラ行の音の響きが非常に新鮮に感じられました。人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味があるといい、和の心と文化という京都に通じるような概念が含まれていて、新しい時代にふさわしいと思いました。

 平成の印象は、前半はバブル崩壊による経済の低迷、後半は東日本大震災や熊本地震、九州北部豪雨に昨年の西日本豪雨と災害が多かった印象です。ただし戦争や紛争がなく、平和な時代でした。京都では林田知事から荒巻知事、山田知事とソフトなインフラも含めて発展の礎が築かれました。

 私は昭和62年から4年間勤務した山形県庁で昭和から平成という時代の変わり目を迎えました。今度は知事として新しい時代を迎えました。それぞれの人が新時代に持つ期待や希望、夢に応えていかなければならないので、これまで以上に身が引き締まる思いです。

 今年度の当初予算は「新しい京都の未来への挑戦」という意味を込めて編成しましたが、少子高齢化や人口減少社会、自然災害など多くの課題への対応が含まれています。

 特に人口減少社会で、人手不足などが叫ばれるなかで経済の活性化がこれまでどおり維持できるのか、地域力も弱まっていくのでは、という不安を多くの人が持っています。しかし京都は観光資源や大学での研究の集積もある。ものづくり産業もバラエティーに富み、それらを生かせば困難は乗り越えられるはずです。

 京都に数多くある世界的なハイテク企業はベンチャーとか学生から起業したものが多いので、京都から次世代を担う企業・産業が出てきてもらいたいという思いはあります。

 子育てや高齢化の問題についても、今も残る昔ながらのコミュニティーを生かして社会全体で取り組んでいってもらいたい。またこれは市町村の仕事かもしれませんが、次第に整えられてきたインフラを、それぞれのまちづくりに生かしていけるようなお手伝いもしていきたいですね。

 最後に上皇さま、上皇后さまにはこれまで人々の安寧・幸せを祈り、国民とともに歩んでいただいたことに深く感謝しています。京都に「父祖の地として懐かしくしのばれるところ」という特別な思いもいただいており、それを光栄に感じています。これからも末永く健勝で過ごされ、京都にお越しいただければと思っています。(聞き手 園田和洋)

     ◇

 にしわき・たかとし 昭和30年、京都市生まれ。父は元京都市議。東京大法学部卒業。54年、建設省(当時)入省。国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長、広報課長、国交審議官などを経て平成28年から復興庁事務次官を1年務め退官した。30年4月の知事選に初当選。趣味はマラソンで、今年2月の京都マラソンにも出場して完走した。

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