安倍首相は平成最後に靖国参拝を 祖国の独立のために闘った英霊たち

【日本の選択】

 平成を振り返ると、東日本大震災や、阪神・淡路大震災などの大災害、そして、地下鉄サリン事件や、警察庁長官狙撃事件など、さまざまな事件が起こった時代であった。多くの人々が犠牲になり、いまだに故郷に帰れぬ人々が存在する。被災地への復興へ尽力することはもとより、犠牲となった方々のことを忘れるべきではないのは言うまでもない。

 だが、一方において、わが国は幸いなことに戦争の惨禍に見舞われることはなかった。さまざまな事件がありながらも、国を失うという悲劇には至っていない。いうまでもなく、憲法9条のおかげではなく、精強な自衛隊と堅牢(けんろう)な日米同盟のおかげである。

 平和な時代であったことを誰よりも強く望んでいたのが今上陛下であったことは確実だが、私は靖国神社に眠る英霊もまた日本の平和を強く望んでいたと確信している。

 大東亜戦争の最中、多くの先人たちが「後に続くを信ず」といって海に、陸に、空に散華していった。祖国が危急存亡の秋を迎えたとき、自らの貴い命を犠牲にしてまで祖国を守り抜こうとしたのである。われわれが平和な時代を日本人として生きていられるのも先人のおかげであることを思うと自然と頭が垂れる思いがする。

 同時に、彼らとて平和な時代に人生を謳歌(おうか)したかったであろうことを思うたびに、深く悲しい思いが込み上げてくる。彼ら一人一人に愛する家族があり、友人があり、それぞれが自分自身の夢を抱えていたのだ。

 先人たちが遺した「後に続くを信ず」という言葉は、いつまでも米国を憎み、戦争を継続し続けよという意味ではない。それではあまりに浅薄すぎる。自分たちの犠牲の礎の上に平和で豊かな誇りある日本を築き上げてほしいという祈りにも似た言葉であったと解釈してこそ、先人たちの熱い思いが、われわれに直に伝わってくる。

 彼らが闘ったのは米国への憎しみからではなく、祖国の独立を守るためだったのだ。

 平成という時代を締めくくるにあたって、安倍晋三首相にはぜひとも靖国神社へ参拝していただきたいと切に願う。外交問題を考えた際、一国の総理大臣として中国や韓国への配慮が必要なことがあるのは十分承知している。

 しかしながら、この平成という時代に平和が保たれたことを靖国神社に眠る英霊にご報告申し上げることは、中国や韓国への配慮以上に重要なことではないだろうか。われわれは新たな「令和」の時代も、引き続き日本が平和な独立国家であることを強く望んでいる。祖国の独立のために一命を捧げた英霊への感謝の念を忘れるような国家であっては、到底、わが国の独立は保たれまい。

 安倍首相の決断を期待したい。 =おわり

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方-リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)など。

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