「丁寧に」「戦う」、維新は硬軟対応織り交ぜ船出

 <統一地方選・大阪>

 大阪ダブル選で勝利し、府知事と大阪市長のポストを引き続き独占することになった大阪維新の会。府市両議員選でも大きく勢力を伸ばし、大阪都構想の協議再開へ土台が整った。代表の松井一郎氏は8日の市長就任会見で「反対意見を聞きたい。スケジュールありきではない」と選挙前の対立姿勢から一転、他会派に秋波を送った。一方、知事選で圧勝した維新政調会長の吉村洋文氏は「民意を無視するなら戦う」と、公明党と国政レベルでの全面対決も改めて示唆。硬軟両様の構えで新体制が始動した。

 選挙前の知事と市長の立場を入れ替える形となった両氏は同日午後、それぞれ初登庁。職員を前に、前任者の施政方針を継承していくと述べた。

 続く就任会見で松井氏が強調したのは、当選直後の前夜同様に「反対会派の声を丁寧に聞く」。任期の4年のうちに都構想の住民投票を実施したいとし、「強引にやる必要はない」「反対の人にも議論をしてもらわないと、中身が伝わらない」と“ソフト路線”で臨む姿勢をアピールした。

 維新は市議会で改選前より6議席増やしたが、過半数には届かなかった。都構想の制度案の議決という最大のハードルをクリアするには、これまで同様に公明との関係がカギ。松井氏は「説明を尽くす」「対話をする」と強調した。

 一方、府庁に登庁した吉村氏は「市長として何度も知事室には来たが、見える景色が違う」と気を引き締めた。選挙では対立候補に100万票を超える大差をつけており、「都構想の再挑戦を掲げて僕と松井さんが選ばれた。その民意は尊重されるべきだと思う」。

 維新の理想は、都構想の制度案を話し合う法定協議会でメリット・デメリットが浮き彫りにされ、住民投票の判断材料が提示されること。それには反対派にも討議に参加してもらうことが欠かせない。吉村氏が重視する「民意の尊重」はその次のステップで、「都構想に賛成かどうかは分からないが、市民のみなさんにもう一度問うところまではやる。最後は大阪市民が決めるというのが民意だ」とした。

 また、「丁寧な議論が足りていない」として維新が求めるスケジュールでの住民投票の実施を拒んだ公明について、吉村氏は今回の選挙結果を踏まえ、公明がまず態度を示すべきだと言及。選挙前と変わらないのであれば公明現職のいる関西の衆院選挙区で候補者を擁立すべきだと語り、「最後は代表の判断事項だが、公明党のスタンスが変わらないなら、僕が松井さんに強く意見具申します」と強調した。

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