所有者特定不能土地、裁判所選任「管理者」が売却可能に 2月にも法案国会提出へ

 登記が長年変更されず所有者が分からない「所有者不明土地」問題で、所有者特定が特に困難で活用できなくなっている「変則型登記」の土地について、法務省は、法務局の登記官に調査権限を与えた上でなおも特定不能な場合、裁判所が選任した「管理者」による売却を可能とする対策案をまとめた。同省は特別措置法案として2月にも通常国会へ提出するため11日、対策案のパブリックコメント(意見公募)を開始した。受け付けは今月31日まで。

 変則型登記は本来は個人名とその住所を記す所有者欄が個人名や集落名だけになっているといったもので、共有地や入会地(いりあいち)などに多い。半世紀以上前からあり、現在の所有者特定には歴史的文献の調査まで必要になっている。

 対策案では、権限を強化した登記官による調査でも所有者が特定できなかった変則型登記の土地で、活用したい地方自治体や企業などからの申し立てがあれば、裁判所が管理者を選任する制度を創設。管理者は売却などの処分もできるため、塩漬け状態だった土地の活用が進むことになる。

 売却代金は管理者が法務局に供託。万一、所有者が判明すれば供託金が渡される。供託金は時効が過ぎれば国庫に入ることになる。

 登記官には実地調査権や資料請求権を付与。調査開始や登記変更は公示し、調査記録は保存する。調査補助のため同等の権限を持つ「所有者等探索委員」(仮称)を新設。地域に詳しい土地家屋調査士や自治体職員などが想定されている。

 ■所有者不明土地 所有者が亡くなった後に相続が行われず、現在の持ち主が分からなくなっている宅地や山林、農地など。平成23年に起きた東日本大震災からの復興事業で問題が顕在化した。地方自治体が公共事業のため用地を取得しようとする際、関係者の同意を得るために膨大な費用や時間がかかったり、不法投棄や景観悪化を招いたりする弊害が出ている。

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