廃艦に実射も…超音速のスピードで飛ぶ、新型対艦ミサイルができるまで

【軍事ワールド】

 国産の対艦ミサイルでは初めて超音速のスピードで飛ぶ、新空対艦誘導弾「ASM-3」の量産が2019年度から開始される。研究開発を行った防衛装備庁では11月中旬、その開発の様子と性能の一端を「技術シンポジウム」で公開した。(岡田敏彦)

 対艦ミサイルは速さが命

 ASM-3は全長約6メートル、重さ約940キロ。「空対艦」の名前通り、空中を飛ぶ戦闘機などに搭載し、艦船を攻撃するミサイルだ。同様の空対艦誘導弾である80式(ASM-1)、93式(ASM-2)の後継として平成15年から開発が始まった。制海権を握る要ともいえる新型の対艦ミサイルがら2019年度から量産される。その性能はASM1及び2から飛躍的に向上している。特に最も重要なエンジンに最先端技術が用いられているのが特徴だ。ASM-1がロケットエンジン、同2は射程を伸ばすためターボジェットエンジンが用いられたが、「3」では個体ロケットモーターとラムジェットエンジンを組み合わせたもの(インテグラル・ロケット・ラムジェットエンジン)を採用。これにより超音速巡航が可能となった。最高速度もマッハ3(音速の3倍)以上で、1,2が音速に届かなかったことに比べ格段の進歩を遂げた。この速度向上は、敵の迎撃を防ぐために欠かせない。

 地球の丸さのため、艦船は水平線下から低高度で迫るミサイルを探知できる距離は限られている。迎え撃つにはレーダーにより数十キロ先で発見し、機関砲や対空ミサイルで迎撃するのだが、発見から“命中”までは1分もないとされる。もちろん向かってくるミサイルが1発きりという状況もありえず、前後左右から迫る多数のミサイルを数十秒のうちに全て撃ち落とさないと撃沈の憂き目に遭う。この状況でミサイルの速さが3倍になれば、迎撃可能時間は従来比で3分の1になる。対艦ミサイルの速さは重要な性能なのだ。

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