石破茂氏 「次」へ態勢再構築 元徴用工訴訟の対応には疑問も

【政界徒然草】

 9月の自民党総裁選に敗れた石破茂元幹事長(61)が、捲土(けんど)重来を期して地方行脚を再開した。地方での支持基盤を固めることで、他の「ポスト安倍」候補に差を広げる考えだ。次の総裁選を戦うために、自ら率いる石破派(水月会)の運営方法も見直した。国内では着々と支持基盤づくりを進めるが、最近は韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟への抗議を明確に語らないなど、首相候補として疑問符のつく言動も見え隠れする。

 「圧力もあったでしょう。ご苦労をされながら応援をしていただき、感謝しています」

 石破氏は11月7日夜、腹心の後藤田正純衆院議員(49)とともに大阪市の中華料理店を訪れ、先の総裁選で自身を支持した地方議員ら約20人を前に、こう謝辞を述べた。総裁選の「お礼回り」のためだけの地方訪問は初めてだ。

 石破氏が大阪で獲得した党員・党友票は7620票と、連続3選を果たした安倍晋三首相(64)の1万1813票に及ばなかった。ただし、大阪は2月に地方議員が中心となって総裁選に向けた集会が開かれるなど、思い入れが特に深い場所だ。大阪の議員らが「勝った地域を先に回ってください」と進言しても、石破氏は大阪を最初に訪れることにこだわった。

 会合は、さながら次期総裁選へ雪辱を果たすための決起集会の様相を呈した。

 「次の参院選はこのままでは負ける。『今の総裁では戦えない』との声が出て、再び総裁選になるはず。その時こそ大阪で石破さんを勝たせよう」

 会を催した大阪府貝塚市の田中学市議(51)が気勢を上げると、石破氏は深々と頭を下げた。さらに来春の統一地方選での全面支援を約束し、石破氏は終電間際に帰京した。

 田中氏は石破氏について「年間数十回会うが、毎回律義にお礼の連絡が入る。永田町でいわれる人付き合いの悪さなど、さらさら感じない」と評価する。

 石破氏の強みは、野党時代からコツコツと築いてきた地方議員との信頼関係だ。地方の支持基盤は「ポスト安倍」候補の岸田文雄政調会長(61)や野田聖子衆院予算委員長(58)、加藤勝信総務会長(63)らより厚い。

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