諮問会議民間議員、増税・米中摩擦リスクに備え

 政府が12日開く経済財政諮問会議で民間議員が最低賃金の引き上げや政府主体の研究開発投資による“内需強化”を提言する背景には国内景気の先行き懸念がある。消費税増税や米中貿易摩擦による世界経済の減速などのリスクが景気の腰折れにつながりかねない。こうした環境下でデフレ脱却を確実にするには、適切な対策を油断なく打ち出し続けることが求められるとの判断だ。

 賃金の最低額を法的に定めた最低賃金の水準は毎年、労使の代表が厚生労働省の審議会で議論して定めた目安を踏まえ、最終的に都道府県労働局長が地域ごとに決める。安倍晋三首相による平成27年11月の引き上げへの言及後、最低賃金は上がり続けており、民間議員はこの流れを強化したい考えだ。

 一方、政府の研究開発投資は、基金化などで複数年度にわたり支出できるようにし、中長期的な観点から臨機応変に対策を打ち出せるようにする。民間とも連携して先端技術を普及させ、企業の生産性向上を促す狙いだ。

 日本経済の喫緊の課題は、来年10月の消費税増税に伴う駆け込み需要と反動減をできるだけ平準化することだ。政府が検討するポイント還元策などに加え、最低賃金を引き上げれば、消費意欲の底上げにつながる可能性がある。

 一方、政府関係者は米中摩擦の悪影響を懸念している。米中間選挙の結果は、上院を共和党、下院を民主党が制する「ねじれ議会」となったが、今後もトランプ米大統領は米国第一主義の姿勢を強化するとの見方が大勢だ。国際通貨基金(IMF)は貿易摩擦の影響の広がりで、国内総生産(GDP)が米国で0・9%以上、中国で1・6%以上縮小しうると試算する。

 民間議員は、今年から来年にかけ日本の輸出や設備投資に悪影響が出る可能性もあるとみており、企業の生産性向上への支援が必要だとみている。

 ただ、支援対策には課題がある。最低賃金の引き上げには企業の原資が必要だし、国の支出には財政の制約があり、政府は知恵を絞る必要がありそうだ。

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