藤波孝生元官房長官の手紙全文公開「国は病んではいけない」「生きた政治のこわさ思う」 リクルート裁判の心境つづる

 【政界徒然草】

 第2次中曽根康弘内閣で官房長官を務め、リクルート事件で受託収賄罪に問われた藤波孝生氏(1932~2007年)。俳人としても知られ、「控えめに 生くる幸せ 根深汁」の句は人柄を表しているといえる。1審で無罪、2審で逆転有罪判決を受けたが、国を思う気持ちを忘れることはなかった。

 そこで今回、藤波氏が元秘書の松木謙公元衆院議員(59)の親族に送った手紙の全文を公開する。日付は上告した9年4月7日から約半年後の同年10月11日。この約1年後に最高裁で懲役3年、執行猶予4年の有罪が確定するわけだが、手紙には「国は病んではいけない」との思いがつづられていた(仮名づかいなどは原文のまま)。

謹啓

 爽やかな季節となりました。御無沙汰がちで申訳けなく存じます。臨時国会が始まりましたので、又、しばらく東京と伊勢を往復する事になると思っています。

 臨時国会までにやっておきたいと思って計画した自民党三重五区の参議院議員選挙対策の会議も、伊勢と尾鷲で盛大に開催することが出来、県内の他の小選挙区よりも早く体制が整いましたので有難いことでした。

 物心両面にわたって御支援をいただいている各春秋研究会も、伊勢、名古屋、東京でそれぞれ開くことが出来たことも有難いことでありました。永年親しくして頂いた信貴山の野沢管長さんや中電の松永さんが急逝されたのは残念ですが、生者必滅のならいで止むを得ぬこととと思っています。

 ほんのこの間の自民党総裁再選の頃までは、飛ぶ鳥を落とすような勢いであった橋本内閣も人事の失敗で急に転落し、とても「六つの改革」どころではないという空気になって了(しま)いました。新進党など、ばらばらになっている状態の中で、どうということもない筈なのに、つくづくと「生きた政治」のこわさを思わざるを得ません。衆議院で過半数になって自民党におごりが出たなどと言います。おごりということはないのでしょうが、緊張感を欠いたということでしょうか。佐藤孝行氏の辞職、中村喜四郎氏の有罪、有罪議員に対する辞職勧告などとつづきましたので、御心配をおかけしていることと存じます。

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