中曽根元首相100歳 田中角栄氏への手紙全文

 謹啓。先般(注・昭和58年10月28日の中曽根-田中会談)は御多用のところ、御懇談の機会を賜(たまわ)り、篤(あつ)く御礼申上ます。

 その後、大兄の御所懐(注・同月31日に田中角栄氏が発表した「所懐」)の御開陳あり、誠に感謝に耐えないところであります。

 大兄と小生との信と義は国家及び党の危局に臨めば臨む程、益々(ますます)固く深く終生血盟を以(もっ)て之を貫く決意であります

 御所懐の御発表以後、党内及び国民与論に好ましき顕著な変化が現れましたことは喜びに耐えません。

 本日は、旧明治節でありますが御友情に甘え私見をお目にかけます 何とぞ御寛恕(かんじょ)の程お願ひ申上ます

 一.二審裁判の晴天白日を確保することが最大の急務でありますが、最近の裁判官は昔と異り世論の動向に過敏であり、この対策も高等戦略として法廷斗争同様大切であります。第一審に於(おい)てこの面の配慮と対策が不足でありませんでしたでしょうか。

 第二審以降は高級審であり、更(さら)に与論の動向、情状酌量対策-第一審でも若干示された-にも細心の注意と新な対策が望まれます

 この点御所懐の発表は適切であったと思いますが更に検討すべき方策はないか、考究すべきと思ひます

 二.次に政局問題(注・衆院解散・総選挙)につきましては、既定方針に基づき断呼邁進(まいしん)いたします。

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