【再び、拉致を追う】北との新たな闘い 政治家に家族の遺言は届いているか:イザ!

2012.9.21 00:55

【再び、拉致を追う】北との新たな闘い 政治家に家族の遺言は届いているか

【再び、拉致を追う】第2部 9・17を検証する(5)

 ◆「喜んだらいいよ」

 平成14年9月17日、北朝鮮・平壌では、小泉純一郎首相(当時)と金正日総書記が初の首脳会談に臨んでいた。午後3時、拉致被害者の家族らは、被害者の安否が伝えられる外務省飯倉公館(東京)に向かった。

 個別に安否を聞くことになり、最初に横田めぐみさん=拉致当時(13)=の家族が部屋に通された。「めぐみちゃんは生きているんだ」。他の家族は、そう思った。部屋から出てきためぐみさんの父、滋さん(79)の沈んだ表情を見て、空気は一変した。重苦しい雰囲気が漂った。

 最後に地村保志さん(57)や蓮池薫さん(54)ら、後に帰国する被害者の家族が説明を受けた。しばらくして部屋を出てきた地村さんの父、保さん(85)は滋さんらに頭を下げた。

 「申し訳ない。(日本に)戻ってくることになった」。「生存」を伝えられた家族が涙を流し、「死亡」と告げられた家族が「喜んだらいいよ」と慰めた。悲しい光景だった。

 被害者家族らは共同記者会見に臨んだ。めぐみさんの母、早紀江さん(76)は「外に出せない理由があるということだと思っています。いつ死んだかもわからないような、そんなことを信じることはできません」と気丈に語った。

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