【再び、拉致を追う】北朝鮮、矛盾するメッセージも 認める「平壌宣言」:イザ!

2012.9.19 01:04

【再び、拉致を追う】北朝鮮、矛盾するメッセージも 認める「平壌宣言」

 ■最後の一文

 「北朝鮮はまだ平壌宣言を認めている。金総書記が署名した文書は憲法より重い国だから」。こう断言するのは宣言作成に関与した日朝外交筋だ。同筋によると、宣言の作成過程では「拉致」をどう書き入れるかをめぐり激しい駆け引きがあった。当時は金総書記が拉致を認める以前だったため直接的な表現はとれなかったものの、日本側は拉致抜きに話を進められない。

 北京で数度行われた宣言に向けた詰めの協議では、日本側が「懸案事項に拉致問題は含まれますね」と確認し、北朝鮮側が「はい」と認める場面もあった。さらに日本側が「外部にそのことを言っていいですね」と念を押すと、北側は「いい」と答えたという。

 平壌宣言の段落分けでも攻防があった。

 宣言は「実りある政治、経済、文化的関係」の樹立をうたった前文の後にそれぞれ1行空けて改行して4つの項目が続く。最後に、また1行空けて後文に「双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていく」と記されている。

 外務省筋によると、北朝鮮側と水面下で交渉を進めた外務省の田中均アジア大洋州局長が当初示した文案は、4項目目と後文の間に改行がなかったという。これでは、3項目目の拉致問題を意味する「懸案事項」は「協議を行っていく」事項から排除されたように読めてしまう。「そこで、後文の前に1行空けることで1項目から4項目まで『協議を行っていく』に文意がかかるようにした。(外交文書を作成する)条約局の意地の一発だった」(同筋)

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